「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社藤本物産「自社と協業者の強み生かせる土台づくりを」代表取締役社長・藤本泰弘氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─昨年は円安や物価高、異常気象による業界への影響も大きかったのでは。
藤本 昨年4月以降、段ボールやパック詰め野菜、果物の包装資材などの高騰に加え、最低賃金の引き上げによる人件費の増加などもあり、経費が予想以上に膨れ上がりました。また例年にない猛暑が続き、予定していた作物が収穫できず、商品を確保できない状況が長く続きました。全国的な品薄の影響は大きく、ようやく確保できた青果物も暑さで品質は低下、しかし価格は例年の倍ほど。八代産のトマトには数倍の値段が付いた月もありました。加えて為替の影響で、バナナやキウイ、パイナップルなどの輸入品も買い負けが続くなど、これまで経験したことがない状況が続きました。昨年のような異常気象は今後も続くことが予想され、青果物を安定的に確保していくことは、小売業全体が抱える課題でもあります。状況を見据えた販売方法の検討を急がなくてはなりません。
─規格外の野菜や果物を使った商品開発に力を注いでおられます。
藤本 春先に収穫したイチゴやメロンなどを冷凍し、夏場にスムージーとして販売する取り組みを始めて2年になります。昨年は、飲食店とのコラボでフルーツカクテルをメニュー化し好評を得ました。また、トマト農園の規格外トマトを加工する工場との橋渡しにも貢献。私たちは、生産から、製造、小売り、販売までを、自社で一貫して取り扱う強みがあります。その強みを生かし、産地の困り事に貢献していると、逆に思いもかけない縁に恵まれることがあります。昨年は県外の生産者を束ねる若手農家との出会いがありました。今後はいかに多くの仲間を増やしていけるかが、生き残りの鍵になると考えます。当社の強みに協業者との結束をミックスして新たな商品を開発し、販路を開拓する─。自社だけではなし得ないことに挑戦していく土台づくりの大切を感じています。
─本年の抱負をお聞かせください。
藤本 小売りに関しては現在17の直営店を持っており、中でも福岡にある直営店舗の売り上げは3年間で2倍の伸びを見せています。おかげさまで、目標とするグループ全体の売り上げも順調に達成しています。ただ今年は、新たな店舗展開や新規事業で数字を追うのではなく、今あるリソースを見直し、強化していくことに注力していきたいと考えています。組織の再強化を図ることが当社の強みを強固にし、売り上げ230億円に達する継続的な力になると確信しています。
概要
所在地 | 〒860-0058 熊本市西区田崎町414-12 【電話】096(354)1335 |
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事業内容 | 青果物のトータルコーディネート 青果物市場からの仕入・販売および直営販売、生産地から直接仕入れ・テナント事業、輸入青果物の卸売り、バナナの着色加工事業、ドライフルーツ類の卸売事業、外食店向け小売納品 |
創業 | 昭和23年6月 |
資本金 | 3,600万円 |
役員 | 代表取締役会長/藤本健介 代表取締役社長/藤本泰弘 専務取締役/藤本尚之 常務取締役/藤本高史 |
従業員 | 195人(パート含む、グループ全体422人) |
支店・営業所 | 九州中央支店(鳥栖市)、沖縄営業所、小売店舗17店 |
グループ会社 | (株)フジモトホールディングス、(株)ケイ・エフ物流、(株)フレッシュダイレクト、(株)フレッシュ工房、(株)中村屋 |
ホームページ | http://fjmt.co.jp/ |
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