「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
本田技研工業株式会社熊本製作所「『ホンダ熊本ウェルカムパーク』3月完成」所長・島添正規氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─昨年はどのような一年でしたか。
島添 熊本製作所は今年1月で操業50年目を迎えます。昨年は、次の50年に向けた準備がいろいろと始まった一年でした。建物や設備が老朽化してきており、工場を変革していく計画を立て、取り組みを進めています。将来的に人材確保が難しくなる中での生産体制構築や、カーボンニュートラル工場を実現するスマートファクトリー化に向け、生産設備を順次入れ換えます。また工場屋根や駐車場に太陽光パネル、敷地内へリチウムイオン蓄電池を設置し、再生可能エネルギー利用率を高め、全使用電力の10%強を供給しています。将来的にはカーボンフリーエネルギーでの全量供給を目指します。
─人材育成に力を入れておられますね。
島添 ホンダは人を原動力に成長してきましたので、今の時代に必要とされる人材育成が大切と考えています。当製作所は全世界にある二輪とパワープロダクツの生産拠点を技術でけん引するグローバルマザー工場の役割を担っており、各拠点を技術支援する人材も育てています。各専門領域の若手から中堅層がベテランから学ぶ「部会ユニバーシティー制度」では、自らのスキルを自己分析し、その結果を基に弱点部分を講師役のベテランが座学や現場で実践指導を行い、日常業務では教えてもらえないことをマンツーマンでフォローアップします。中堅層は海外拠点に行き、現地で駐在業務や技術支援を学んでもらいます。
─二輪車市場の動向を教えてください。
島添 ホンダの二輪世界販売台数はコロナ禍で1500万台まで落ち込みました。23年度実績で1880万台まで回復し、24年度で再び2000万台に戻る計画です。特にインド、ブラジル、東南アジアの市場が伸びています。国ごとに需要は異なり、台数が拡大している地域ではスクーターやスーパーカブなどの小型二輪車が好調です。
─地域との交流も盛んですね。
島添 当製作所に隣接するHSR九州や所内グラウンドで9月に秋祭りを開催し、九州の企業で初のドローンショーを実施。夜空に浮かぶ光のアートが好評でした。1月にも駅伝大会を開催し、楽しんでいただきたいと考えています。今年3月には、正門横の2万平方㍍の敷地を活用した「ホンダ熊本ウェルカムパーク」をオープンします。従業員の福利厚生を目的とした施設ですが、家族や取引先、バイクファン、地域の方にも広く開放します。子どもがバイクにまたがったり、バイクづくりを模擬体験したりできますので、将来のバイクファンを育むことができたらうれしいですね。
概要
所在地 | 〒869-1293 菊池郡大津町平川1500 【電話】096(293)1111 |
---|---|
操業開始 | 昭和51年1月 |
事業内容 | 輸送用機械器具製造 二輪完成車 二輪KD用エンジン パワープロダクツ製品 パワープロダクツ用エンジン 四輪自動車エンジン部品 |
従業員数 | 約4,000人(2024年11月末現在) |
ホームページ | https://global.honda/jp/kumamoto/ |
本社 | 〒107-8556 東京都港区南青山2-1-1 【電話】03(3423)1111(代表) |
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