「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社マイスティア「スマート工場『Fab4』 今夏稼働開始へ」代表取締役社長・工藤正也氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─TSMCの最高経営責任者が昨年4月、菊陽町で第2工場建設を発表した場に工藤社長も同席されていましたね。
工藤 岸田文雄首相(当時)がTSMC工場を視察された際、地元の経営者の一人として招かれました。当社は、顧客ごとの仕様に合わせた半導体製造装置や精密機械システムおよびそれを動かすソフトウエアの開発を得意とし、熊本への進出が予想される半導体関連企業との取引拡大を目指しています。最近の工場にはロボットを活用した自動化システムが導入されており、単純な反復作業だけでなく、現場に設置したセンサーからの情報をAIが処理し、より精度の高い作業が可能になってきました。当社は、2022年に合志市のセミコンテクノパーク内に三つ目の工場を新設し稼働したばかりですが、さらなる事業拡大に伴い、同パーク内に新たに四つ目の工場「Fab4」の建設をスタート。今年6月ごろの稼働開始を見込んでいます。
─Fab4はどんな工場ですか。
工藤 敷地面積約2万5千平方㍍、床面積は約2万平方㍍と、Fab3の3倍以上の広さです。人間とロボットが共同して高度な作業ができる上、製造の自動化によって男女の区別なく働けます。工場内の各所にさまざまなセンサーや制御装置を設け、ネットワークを活用して生産の状況を常時監視・分析できる“スマート工場”で、施設の電力には太陽光発電によるクリーンエネルギーを利用します。生産性と品質、安全性の向上が期待できる工場です。
─グローバルに事業を展開されていますね。
工藤 米国、台湾、中国に現地法人を設け、日本企業の海外進出に伴う施設や設備の設置、人材派遣、幹部となる現地社員の教育などをサポートしています。台湾中部の台中市には既に2社の現地法人がありますが、南部の高雄市にも設備装置のメンテナンスを専門に行うサービス拠点を設ける計画を進めています。台湾では日本に関心を寄せる学生が増えているようで、昨年は台湾の大学で日本語を学ぶ学生のインターンシップを受け入れました。
─今後の展望をお聞かせください。
工藤 TSMCの熊本進出により、九州各地に半導体関連企業が進出する可能性があり、熊本はチャンスに恵まれています。当社では開発エンジニアを増員し、Fab4の次の工場建設も視野に入れています。世界的に技術者不足が課題になっている状況ですので、今後は海外の人材と一緒に日本で仕事ができる労働環境をつくり、優秀な人材の育成を図ります。
概要
所在地 | 〒861-2202 上益城郡益城町田原2081-17 【電話】096(214)5680 |
---|---|
設立 | 1990年11月 |
資本金 | 5,000万円 |
従業員 | 1,750人(グループ) |
事業内容 | 製造装置・精密機械の企画開発から製造販売、組込みIoTシステム及び周辺機器の企画開発から製造販売、自社ブランドAI(イメージプロセッシング)ソフトウエアの研究開発から販売、精密機械等のメンテナンス・フィールドサービス、半導体及び材料の評価・解析サービス、製造業全般における業務請負、水産養殖システムの企画開発から製造・解析サービス、キャリアコンサルティング、人財紹介、人材派遣 |
グループ企業 | 国内3社、海外4社(米国、中国、台湾) |
ホームページ | https://www.meistier.co.jp/ |
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STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
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学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学びましょう。
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