株式会社前田産業「デジタル技術活用 安全強化と省力化両立」代表取締役社長・木村洋一郎氏【トップインタビュー】

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2025年1月1日 00:00
熊日プレジデント倶楽部 トップインタビュー Sponsored
代表取締役社長 木村洋一郎氏
代表取締役社長 木村洋一郎氏

─全国で解体事業を展開されています。

木村 全国9カ所に支店を設け、構造物解体工事から廃棄物処理までを手掛けています。解体工事というと、大型重機を使って建物をどんどん破砕していくイメージがあるかもしれませんが、当社が得意とする仕事はその逆です。解体の工程を綿密に計画した上で、周囲の建物や設備、道路を通行する人や車の安全に配慮し、細心の注意を払いながら低騒音・低振動で作業を進めます。1962年創業以来の豊富な経験とノウハウをベースに、常に新しい解体工法の研究も積み重ねています。

─昨年の仕事を数例教えてください。

木村 東京都から発注された、東京都中央区の築地市場の解体工事は当社が関わるようになって4年になります。この2月にやっと完工の見込みで、今は広大な敷地がほぼさら地の状態になりました。同じく、東京都江東区の下町にそびえる高さ約150㍍、直径30~40㍍ある巨大煙突3本の解体工事は3年ほど前から進めています。煙突の周囲に足場を組み、上から順に少しずつ切断する工事です。超大型クレーンを使って高所で重いコンクリート片をつり下げるため、強風の日は作業を中止します。この工事の詳細はNHKの番組「解体キングダム」で昨年9月に放送されました。今は全国各地で都市の再開発事業が進められていますが、再開発をするにはまず、古い建物などを解体してさら地にする必要があります。そこに当社の「解いて帰す」職人たちが腕を振るう場があるわけです。

─昨年1月1日に起こった能登半島地震の後、石川県に行かれましたね。

木村 実は震災前に輪島市清掃センターの解体工事に入っており、社員宿舎は火災で全焼した「朝市通り」のすぐそばでした。地震発生は正月休み中だったため現場の全員が帰省しており、社員に被害はありませんでしたが、工事は延期になりました。私は2月に石川県構造物解体業協会を訪ね、熊本地震の際の経験を基にアドバイスと励ましを送りました。現地はまだ雪が深く、復旧の困難さが思いやられました。

─今年4月、会長職に引かれることを発表されました。

木村 私は2001年、社長に就任し、全国に拠点を広げ、人材の採用と育成に力を入れてきました。コロナ禍を機に近年はデジタル技術を活用し、安全管理の強化と省力化の両立にも取り組んできました。後継者に経営を託すのは当社の将来を見据えてのことです。私とは異なる発想で事業を承継してくれると思います。

SK2200大型重機解体風景
SK2200大型重機解体風景

概要

所在地 〒861-4114 熊本市南区野田3丁目13-1
【電話】096(358)6600
事業内容 総合解体業・産業廃棄物処理業
設立 昭和49年12月24日(創業 昭和37年4月1日)
資本金 2,900万円
役員 4人
従業員 222人
支店・事業所 東京支店、名古屋支店、大阪支店、広島支店、福岡支店、鹿児島支店、沖縄支店、天草リサイクルセンター、宇城支店
ホームページ https://www.maedasangyo.co.jp/

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