「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社前田産業「デジタル技術活用 安全強化と省力化両立」代表取締役社長・木村洋一郎氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─全国で解体事業を展開されています。
木村 全国9カ所に支店を設け、構造物解体工事から廃棄物処理までを手掛けています。解体工事というと、大型重機を使って建物をどんどん破砕していくイメージがあるかもしれませんが、当社が得意とする仕事はその逆です。解体の工程を綿密に計画した上で、周囲の建物や設備、道路を通行する人や車の安全に配慮し、細心の注意を払いながら低騒音・低振動で作業を進めます。1962年創業以来の豊富な経験とノウハウをベースに、常に新しい解体工法の研究も積み重ねています。
─昨年の仕事を数例教えてください。
木村 東京都から発注された、東京都中央区の築地市場の解体工事は当社が関わるようになって4年になります。この2月にやっと完工の見込みで、今は広大な敷地がほぼさら地の状態になりました。同じく、東京都江東区の下町にそびえる高さ約150㍍、直径30~40㍍ある巨大煙突3本の解体工事は3年ほど前から進めています。煙突の周囲に足場を組み、上から順に少しずつ切断する工事です。超大型クレーンを使って高所で重いコンクリート片をつり下げるため、強風の日は作業を中止します。この工事の詳細はNHKの番組「解体キングダム」で昨年9月に放送されました。今は全国各地で都市の再開発事業が進められていますが、再開発をするにはまず、古い建物などを解体してさら地にする必要があります。そこに当社の「解いて帰す」職人たちが腕を振るう場があるわけです。
─昨年1月1日に起こった能登半島地震の後、石川県に行かれましたね。
木村 実は震災前に輪島市清掃センターの解体工事に入っており、社員宿舎は火災で全焼した「朝市通り」のすぐそばでした。地震発生は正月休み中だったため現場の全員が帰省しており、社員に被害はありませんでしたが、工事は延期になりました。私は2月に石川県構造物解体業協会を訪ね、熊本地震の際の経験を基にアドバイスと励ましを送りました。現地はまだ雪が深く、復旧の困難さが思いやられました。
─今年4月、会長職に引かれることを発表されました。
木村 私は2001年、社長に就任し、全国に拠点を広げ、人材の採用と育成に力を入れてきました。コロナ禍を機に近年はデジタル技術を活用し、安全管理の強化と省力化の両立にも取り組んできました。後継者に経営を託すのは当社の将来を見据えてのことです。私とは異なる発想で事業を承継してくれると思います。
概要
所在地 | 〒861-4114 熊本市南区野田3丁目13-1 【電話】096(358)6600 |
---|---|
事業内容 | 総合解体業・産業廃棄物処理業 |
設立 | 昭和49年12月24日(創業 昭和37年4月1日) |
資本金 | 2,900万円 |
役員 | 4人 |
従業員 | 222人 |
支店・事業所 | 東京支店、名古屋支店、大阪支店、広島支店、福岡支店、鹿児島支店、沖縄支店、天草リサイクルセンター、宇城支店 |
ホームページ | https://www.maedasangyo.co.jp/ |
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