「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社ヤマックス「高い技術と独自のノウハウを生かし飛躍」代表取締役社長・茂森拓氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─業況について教えてください。
茂森 土木・建築製品ともに好調で、昨年9月の中間連結決算は純利益80.4%増の8億1500万円を達成。上場以降の最高益を4年連続で更新しました。主な要因は三つあります。一つ目は精緻な生産計画と工場生産量の平準化。その結果大きなコストダウンにつながりました。二つ目はわが社の強みである「プレキャストコンクリート製品」の需要が高まったことです。この追い風にあぐらをかくことなく、ジョイント部分に独自の工夫を凝らした「圧着式接合工法(PJ工法)」を開発。部材の単純化はもちろん、製造や施工が容易になり、大幅な工期短縮が可能になりました。この工法は令和5年度熊本県工業大賞を受賞、今後さらなる需要増が期待されます。三つ目は「順調な時こそ次に向けた準備を」との思いで、数年前から種をまいてきた営業戦略が実を結び、球磨川の災害復旧工事、半導体関連企業の集積に伴う産業用地の整備工事、防衛関連事業が堅調だったことが挙げられます。
─マンション建設大手の長谷工コーポレーションと提携されました。
茂森 長谷工社は現場で生コンを流し込んで固める従来の工法から、より省人化でき納期も短縮できるプレキャストコンクリート工法に舵を切っているところです。その中で、当社が持つ「建築と設計ができるコンクリート二次製品メーカー」としての高い技術とノウハウに目を留めていただき、長谷工社が茨城県に新設する製造工場に当社も出資し、共同運営することになりました。当社は新工場の仕様や生産計画の立案など技術面での協力のほか、社員を派遣し工場運営も支援します。この工場では長谷工社が手掛ける関東全域のマンション建設現場で使用される年間3000戸超のマンションの床に使用する内床プレキャストの製造を予定しています。今後3~5年で東日本の建築用製品の売り上げを現状の5割増にしていきたいと考えています。
─職場環境の整備にも積極的です。
茂森 社員は会社を動かすエンジンですから、優秀な人材確保を念頭に置き、昨年は実質13%の賃上げを実施しました。同時に福利厚生や休暇制度の見直しも積極的に行い、社員満足度の向上を図っています。また、業界イメージを覆したいと、人吉工場の事務所を南欧風のおしゃれな雰囲気にリニューアルしました。デザインを担当したのはハウジング部門の設計士です。同工場は令和2年7月豪雨で被災しましたが、明るく生まれ変わることで復興のシンボルになることを願っています。
概要
所在地 | 〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目9-5 【電話】096(381)6411 |
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事業内容 | 土木・建築用コンクリート製品の製造・販売・戸建て住宅の販売 |
設立 | 昭和38年10月10日 |
資本金 | 17億5,204万円 |
役員 | 代表取締役会長/茂森 潔 代表取締役社長/茂森 拓 取締役副社長/森 將彦 常務取締役/渡辺宏之 取締役/浦崎啓介、木山伸悟、森田芳文 津留 清 監査役/長岡純生、松山隆文、中島邦介 |
従業員数 | 519人 |
支店等 | 3支店、8工場、8営業所 |
関係会社 | (株)東北ヤマックス、(株)HOCヤマックスほか |
ホームページ | https://www.yamax.co.jp/ |
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