「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社ランベックスジャパン「『木造4階建てビル工法』の耐力試験に着手」代表取締役社長・原田実生氏【トップインタビュー】
熊日プレジデント倶楽部─工場の設備投資を積極的に進めてこられました。
原田 一昨年10月から約11億円を投じて工場のリニューアルに取り組んできました。プレカット機械や集じん装置などを入れ替えて電気代を削減。併せて加工ラインのレイアウトを変え生産性を向上させました。今年から5年くらいかけて取り組む次のテーマが「工場の無人化」です。特に構造図面を作成するCADのAI化について同業の仲間と共に、海外のIT企業と話し合いを進めているところです。現在は三十数人でCAD入力していますが、将来的には半分から3分の1の人員でできるよう合理化したいと思っています。
─新たな木造工法を研究されていますね。
原田 木構造の権威である東京都市大学の大橋好光名誉教授を顧問に迎え、当社の機械で対応できる「木造4階建てビル工法」の研究を進めてきました。今年から接合部や壁の耐力試験に取りかかります。来年中にはモデル・実験棟として本社屋を建て、国のシステム認定を受ける計画です。他社との差別化を図り、独自の木造工法を開発する姿勢が評価され、昨年1月には日刊工業新聞社主催の「優秀経営者顕彰」で県内初となる優秀経営者賞を頂きました。
─今年は住宅建築に関する法改正が控えています。
原田 4月から「改正建築物省エネ法」と「改正建築基準法」が施行されます。法改正の目的は、建築物分野における省エネ対策を加速させることと、木材利用を促進することです。「改正建築基準法」においては、構造計算により3階建て木造建築物の範囲を拡大、3000平方㍍超の大規模建築物の全体の木造化の促進となることから、構造木材の劣化対策は重要な位置を占めます。そのため、当社の乾式防腐・防蟻処理技術は必ず役に立てるものと思っています。また住宅においても、構造計算の依頼が増えてくるため、営業全員が設計書類のアドバイスをできる体制を整えています。
─新年の目標をお聞かせください。
原田 やはり「法改正の対応」と「木造4階建てビル工法」の開発が優先事項となりますが、本年は建築資材や不動産価格の高騰、法改正への対応に伴うコストアップや工期の長期化が進むことで、住宅建築業界は厳しい年になると思います。当社としては、「品質を上げればコストは下がる」という考えの下に取り組みを実施し、成果を挙げています。この取り組みを社内だけでなく取引先にも広げるため工期短縮を実現する当社の高品質材を積極的に提案していきたいと考えています。
概要
所在地 | 〒861-8012 熊本市東区平山町2985-1 【電話】096(380)7531 |
---|---|
設立 | 昭和36年2月6日 |
事業内容 | 住宅用木材・建材の販売、住宅用プレカット材の加工・販売 |
資本金 | 8,000万円 |
役員 | 代表取締役社長/原田実生 専務取締役/兼本達矢 常務取締役/岡本崇宏 取締役/橋本貴大 執行役員/坂本喜美人、藤島 大、石村謙典、山下賢一郎 監査役/原田喜美子、小田修一 |
従業員数 | 202人(関連会社を含む、2024年11月末現在) |
支店・営業所 | 福岡事業部、東京事業部(東京)、兵庫営業所、鹿児島営業所 |
ホームページ | https://lumbexjp.com |
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