5年に1度の年金の定期健診、結果は…? 経済横ばいでも現役世代の半分 経済成長なら6割弱維持も ただし「モデル世帯」の話ですが【まね得 どうなる年金・前編】
若い世代は将来年金をもらえるの? 気になりますよね。今年は年金の将来見通しを示す5年に1度の財政検証の年でした。財政検証は「年金の定期健診」に例えられます。7月に公表された結果を、「まね得」らしいニュートラルな視点で点検します。もしかしたら、イメージとは大きく異なっているかもしれませんよ。(太路秀紀)
どうなる年金① 5年前の健診時より「健康」に
2月にこのコーナーで年金制度を取り上げた時に「今年は5年に1度の重要な年」と紹介しました。公的年金の財政が健全かどうかチェックし、将来の見通しを示す「財政検証」の年です。結果が先月公表されました。今回からは検証結果を〝まね得流〟にひもとき、「年金って将来どうなるの」という読者の疑問に答えたいと思います。
財政検証はよく「年金の定期健康診断」と言われます。「このまま年金を支給し続けられるの?」などを5年に1度診断し、不健康な部分は制度改正して見直します。では今回の健診結果は5年前と比べてどうだったのか。端的に言うと「5年前の健診時より少し健康になった」です。
政府は将来にわたって、夫婦2人の「モデル世帯」が年金をもらい始めた時点(現在は65歳)で、現役で働く男性の平均手取り額の半分は最低限支給すると約束しています。今回の健診では、日本経済が将来的に「失われた30年」と呼ばれる過去30年と同様の横ばい状況であっても、現役世代の半分という約束は果たせるとの結果になりました。
実は5年前の健診では、横ばい型経済だと半分を下回ってしまう試算でした。
残り 1618字(全文 2275字)
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
【年末回顧くまもと2024】③水俣病患者らの発言遮断 環境省、被害に耳傾けず…根強い不信、遠い信頼回復
熊本日日新聞 -
現地案内や資料展示 患者の実体験を後世に【水俣病伝えて 相思社50年③】
熊本日日新聞 -
【2024世相の鏡②】オーバードーズ 「手軽に〝とべる〟から好き」 健康被害が社会問題に、脳への影響も懸念
熊本日日新聞 -
刺し身のつまが海を救う? 「養殖藻場」で魚やプランクトンが増加 東京の一般社団法人が実験結果まとめる 天草のトサカノリなど
熊本日日新聞 -
【バスケB2第14節・熊本71―91鹿児島】ヴォルターズ、強敵に敗北も「手応えあり」
熊本日日新聞 -
熊本ヴォルターズ、3連勝ならず 鹿児島に71-91 バスケB2
熊本日日新聞 -
全日本女子ジュニアボクシング ライトウエルター級・徳永(熊本農高)が決勝進出
熊本日日新聞 -
元プロ野球選手の山﨑氏、野村・星野両監督の教え「今も心に」 熊本市で公開講座「DOがくもん」
熊本日日新聞 -
男子・九州学院「良い流れで」、女子・千原台「負けない走り」 全国高校駅伝、京都市で開会式 22日号砲
熊本日日新聞 -
生徒育てた「天草大王」出荷 天草拓心高 肉質柔らか、味しっかり
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「成年後見制度」。12月27日(金)に更新予定です。