「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
大熊本証券株式会社「菊陽町に新たな営業所 今春開設」代表取締役社長・出田信秀氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年はどのような年でしたか。
出田 2022年は、世界的なインフレや欧米諸国の大幅な政策金利の引き上げに伴う株価下落に見舞われましたが、昨年はインフレが落ち着き始め、株式相場は回復に向かいました。4月以降、日本は海外市場よりも上げ幅が大きく推移し、その相場が支えとなって当社の事業環境も順調な一年となり、今年3月期決算は増収増益を見込んでいます。
─この数年、新事業に積極的ですね。
出田 大学や企業、個人発明家などが持つ特許や技術などの無形資産を対象としたマッチングサービス「iAm(アイアム)」を手掛けており、サービスに興味を持つ上場企業の知財担当者や弁理士などを招いて毎月1回、勉強会を開いています。昨年5月には、知的財産を活用した企業支援で連携してきた今村証券(石川県)と、長野証券(長野県)を加えた3社でコンソーシアム(共同事業体)を設立。地方から新規株式公開企業の創出を促進していきます。地場企業が抱える課題などの情報を共有し、地域を超えた産学連携やビジネスマッチングを支援します。また、一昨年9月に設立した子会社「ミライズアセット」では、独立系金融アドバイザー(IFA)事業を展開しています。これは、豊富な業界知識と経験を持つアドバイザーが金融商品の販売仲介をする事業で、昨年から提携や契約が出始めています。
─地域に貢献する事業も行っています。
出田 八代市の委託事業として、市民向けの金融教育講座を実施しています。昨年7月には、県内農産物の海外輸出などを手がける肥後市場フーズ(熊本市)と提携し、農地の相続支援サービスを始めました。手続きを代行するほか、農地で作付けをしない場合の有効活用などをサポートします。事業を通じて地域に貢献できる「地域に根ざした証券会社」を目指していきます。
─今年の抱負をお聞かせください。
出田 1月から「新NISA」がスタートします。年間投資枠や非課税保有限度額の引き上げ、非課税期間の廃止など制度が拡充しますので、新たに投資を始めてみたいという人が増える〝投資元年〟になればと期待しています。春には、台湾積体電路製造(TSMC)の進出で人口増加が見込まれる菊陽町にある商業施設「サンリーカリーノ菊陽」内に営業所をオープンします。女性責任者を配置する予定で、ダイバーシティ(多様性)の推進にもつなげていきたいと考えています。
概要
所在地 |
〒860-0807 熊本市中央区下通1丁目7-19 |
---|---|
事業内容 | 国内外の株式、債券、投資信託等の取り扱い |
設立 | 昭和22年(創業 昭和11年) |
資本金 | 3億4,356万円 |
役員 | 会長/出田信行 代表取締役社長/出田信秀 常務取締役/村上圭一郎 取締役管理本部長/池尻 修 取締役企画本部長/清水孝洋 |
従業員数 | 51人 |
ホームページ | https://www.daikumamoto.co.jp/ |
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
【速報】千原台は32位 全国高校駅伝女子
熊本日日新聞 -
【とぴっく・熊本市】児童養護施設にアイス贈る
熊本日日新聞 -
「るろうにほん 熊本へ」(佐藤健著) 県内各地の魅力を紹介
熊本日日新聞 -
「ロボット・ドリームズ」 犬とロボットの切ない運命【熊本シネマレビュー】
熊本日日新聞 -
【年末回顧くまもと2024】③水俣病患者らの発言遮断 環境省、被害に耳傾けず…根強い不信、遠い信頼回復
熊本日日新聞 -
【2024世相の鏡②】オーバードーズ 「手軽に〝とべる〟から好き」 健康被害が社会問題に、脳への影響も懸念
熊本日日新聞 -
現地案内や資料展示 患者の実体験を後世に【水俣病伝えて 相思社50年③】
熊本日日新聞 -
刺し身のつまが海を救う? 「養殖藻場」で魚やプランクトンが増加 東京の一般社団法人が実験結果まとめる 天草のトサカノリなど
熊本日日新聞 -
【バスケB2第14節・熊本71―91鹿児島】ヴォルターズ、強敵に敗北も「手応えあり」
熊本日日新聞 -
熊本ヴォルターズ、3連勝ならず 鹿児島に71-91 バスケB2
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「成年後見制度」。12月27日(金)に更新予定です。