株式会社総合プラント「九州を中心に13拠点　人手不足に対応」代表取締役・髙山賢士氏

─人材派遣事業の動向はいかがですか。

髙山　コロナ禍で求人数が減少しましたが、新型コロナウイルスの5類移行後は企業の採用意欲も回復し、以前の水準に近づいてきたように思います。その中で企業は、より専門性の高い即戦力の人材を求める「有料職業紹介」や派遣期間終了後に派遣先の直接雇用になる「紹介予定派遣」を希望される割合が増えています。当社は製造分野などで働く技術者の〝雇い止め〟のない無期雇用を推進・拡大し、クライアントのニーズに合った人材育成に努めています。社内では情報を一元管理する新システムを導入し、仕事への応募から就業まで素早くスムーズにサポートできる体制を整えています。

─昨年はリテール(小売り)事業で新たな出店がありましたね。

髙山　コロナ禍で落ち込んだ売り上げは回復傾向にあります。昨年8月に老舗アパレル「ブルックスブラザーズ」、9月に婦人服の「グレースコンチネンタル」が熊本市中央区の鶴屋百貨店にオープンしました。当社が店舗運営をしており、リテール事業は7店舗体制となりました。

─再就職支援事業も継続されています。

髙山　県の「新型コロナ緊急対応人材育成支援事業(再就職支援プログラム)」を、前年に続き受託しました。コロナ禍により離職を余儀なくされた求職者に対し、職業訓練を提供して異業種への再就職を支援するものです。企業と求職者のニーズに合わせたマッチングの場も提供。雇用のミスマッチを最小限に抑え、継続的な正社員雇用につなげることを目的とした事業です。また、ハローワークで求職の手続きをした離職者を対象とした公共職業訓練事業も実施しています。2023年度はこれまでの事務・介護訓練に加え、IT分野の「基礎から学べるプログラミング科」を新たに開設しました。専門性を高めた人材を育成し、未経験分野の就職につなげることができました。

─今年の抱負をお聞かせください。

髙山　昨年4月に長崎市に長崎支店を開設。13拠点となり、九州一円にサービスが提供できる体制になりました。長崎支店の責任者は初めて社内公募で登用しました。チャレンジ精神のある社員を登用することで社内人材の活性化につなげ、資産効率の良い筋肉質な経営体質にしていきたいと思っています。今後も地場企業の強みを生かし、これまで培ってきた信頼をベースに顧客ニーズに沿ったサービスを提供し、選ばれる企業として成長していきます。