「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社セルモ「『ウェルビーイング』かなえる企業へ」代表取締役社長・岩上梨可氏
熊日プレジデント倶楽部─新型コロナウイルスが5類感染症に移行しましたが、その後の冠婚葬祭業界の状況は。
岩上 県内の業界では、冠婚部門の列席者数は増加しています。しかし、新型コロナが流行する前と比べると、80%程度の回復状況です。コロナ禍で交際の場や出会いの場が減り、カップル成立に影響が出たことが、回復しきっていない要因の一つになっているかもしれません。幸い、当社の施行数や売上高はコロナ前の水準まで戻ってきています。コロナの影響で結婚式や披露宴を諦めていた方々へのアプローチが奏功し、業績に反映されているのだと思います。
─葬祭部門についてはいかがですか。
岩上 冠婚同様に参列者の減少は顕著で、コロナ前の約60%までの回復にとどまっています。外出制限による社会生活の変化から、葬儀の簡素化に加え、参列者の数を制限するのではなく、参列の時間帯を工夫するなど、新しい葬儀の在り方が生まれました。私どもは、コロナ禍以降は冠婚葬祭を通して〝少人数〟というニーズに応えるサービスを展開してきました。これにより、今後お客さまに提供できるサービスの選択肢が増えたと捉えています。
─「ウェルビーイング(幸福)」を大切にする企業づくりを進めていかれるそうですね。
岩上 昨年、創業55周年を迎え、あらためて企業としての方向性を考えた際、社員もお客さまも取引先さまも、セルモに関わっていただいている全ての皆さまの幸せを願い、ウェルビーイングという指針を掲げました。社員が働く環境においては、適正な評価基準の見直しや昇進に必要なスキルの明確化など、一人一人がモチベーション高く仕事に取り組める仕組みづくりに力を注いでいます。これらの方向性を定め、実行へのかじを取っていくことが私の役目だと考えています。
─新たな取り組みや目標をお聞かせください。
岩上 葬祭では昨年、明和不動産、コスギ不動産と相続・不動産に関するビジネスマッチング契約を締結。さらに、葬儀後のサービス強化に向け「アフター事業部」を新設しました。また、一昨年オープンした複合施設「OBIYAMA TETOTE(帯山テトテ)」の集客も順調です。今後の展開として、台湾積体電路製造(TSMC)の進出に絡み、海外搬送事業の実施を視野に準備を進めています。時代のニーズを読みながら、何が必要で、求められているのかをしっかりと見定め、大きく前進していきたいですね。
概要
所在地 |
〒860-8567 熊本市中央区世安1丁目4-1 【電話】096(362)3390 |
---|---|
事業内容 | 冠婚葬祭互助会 |
資本金 | 1億円 |
役員 | 代表取締役社長/岩上梨可 取締役/松村 孝、八ヶ代博人、平野次秋、高田大輔 執行役員/丸山征也 |
関連従業員数 | 1,300人 |
主な事業所 | 熊本本社、鹿児島支社、大分支社、八代支部、玉名支所、人吉支所、ホテル夢しずく・別邸蘇庵、スタジオPRIMA、OBIYAMA TETOTE |
関連会社 | (株)YSトレーディング、(有)アート企画、(有)セルモ花一、(株)シグナル交通、(株)JEC |
ホームページ | https://celmo.co.jp/ |
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
熊本城「宇土櫓続櫓」の石垣、復旧に向け解体作業に着手 28年度の積み直し完了目指す
熊本日日新聞 -
山鹿灯籠踊り 24歳〝即戦力〟デビュー 歌と三味線担当の竹中さん
熊本日日新聞 -
県庁マンと大学の先生の〝二刀流〟 熊本県財産経営課長の松尾さん 「学問と実務の架け橋に」
熊本日日新聞 -
見て触って、モンゴル体験 九州ルーテル学院教師の丸谷さん 海外研修参加、経験伝える
熊本日日新聞 -
SG澤邉圭太 地元に新加入「守備でファイト」 特集・熊本ヴォルターズ2024―25【プレーヤーズファイル】
熊本日日新聞 -
自己決定、尊重する社会に 明治大法学部教授・鈴木賢さん
熊本日日新聞 -
ゆうあい中〝快進撃〟だ 20代~60代の5人、ロボコン初参加 県代表で九州大会へ「気負わず楽しむ」
熊本日日新聞 -
気泡装置で発明の文科大臣賞 熊本県立大学長の堤裕昭さん(68) 大巧技研元顧問の高瀬一郎さん(92)【トークタイム】
熊本日日新聞 -
菊池一族、朝鮮貿易で内紛 郷土史家・堤さん(菊池市)が論文
熊本日日新聞 -
他都市の模索㊦ 富山市、公共交通軸に都市経営 3段階で結節強化 駅を起点にLRT網築く【移動の足を考える 第3部 都市圏交通の今⑪】
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「家計管理」。11月25日(月)に更新予定です。