株式会社シアーズホームグループHD「県北の拠点となるショールーム開設」代表取締役・丸本文紀氏

─昨年、注力されたことは何でしたか。

丸本　県内では、打ち合わせブースを多数備えたショールーム「シアーズヴィレッジ」を合志市の県道316号(住吉熊本線)沿いに開設しました。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出で住宅需要の高まりが期待できるので、県北の拠点にしたいと考えています。また、合志市のKKT合志総合住宅展示場(アンビーハウジングパーク)やTKU御代志住宅展示場、熊本市南区のKAB総合住宅展示場、八代市の熊日八代住宅展などのモデルハウスを新築・リニューアルしました。福岡では、従来のシアーズホーム福岡支社の事業を承継して「シアーズホームバース」(大野城市)を設立、分社化しました。独立した経営体としての活動に期待しています。九州では鹿児島や佐賀でも地域ナンバーワンを目指し、積極展開を行いました。

─新たな事業を計画されていると聞きます。

丸本　高級貸別荘と長期滞在者向けレジデンシャルホテルの建設を進めています。貸別荘は、漫画や演劇分野などのエンターテインメント人材の活動拠点「アーティストビレッジ阿蘇096区」(高森町)そばで、根子岳や南阿蘇の景色が望める場所です。1月に着工し、10月オープンを目指します。約1万平方㍍の敷地に1棟の離れと、別に三つの客室が連なった1棟を建築し、宿泊客は1日4組で満室となります。メインスイートにはベッドルーム三つを備え、家族連れが泊まれる広さです。温泉が使える浴室や足湯を備えています。ターゲットは主に海外からの富裕層です。一方、レジデンシャルホテルは、簡易キッチンや洗濯機・冷蔵庫などを完備したワンルームマンションタイプの長期滞在者向け宿泊施設で、ターゲットは海外からのグループ旅行客などです。これまでに福岡市の博多駅周辺に2棟、東京都江戸川区に1棟が稼働しており、今年は博多区美野島にもオープンさせる計画です。貸別荘とレジデンシャルホテルの運営は外部に委託しています。

─今後の展望についてお聞かせください。

丸本　住宅業界は円安などによる原材料の高騰や住宅金利の上昇、人口減少に伴う市場の縮小と、厳しい経営環境にありますが、住宅事業では今後も地域ナンバーワンを目指してシェア拡大を図っていきます。将来に向けた取り組みとしては、次世代の経営者育成に向け、グループの持ち株会社の傘下に13社が独立した経営を推進できる事業体制にしました。今年も新しいステージに向けて挑戦を続け、生産性の高い、強い企業グループを目指します。