「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
くまさんグループ熊本酸素株式会社「グループで18拠点・29工場体制に」代表取締役社長・白瀬嗣久氏
熊日プレジデント倶楽部─グループ全体の概況、業績を教えてください。
白瀬 前々期に売り上げ300億円を達成し、前期に400億円を超えたので、昨年8月期は500億円を目指していました。結果は491億5600万円と少し及びませんでしたが、前年比で熊本酸素が109%、くまさんメディクスは122%などグループ5社とも健闘し、全体で116%の伸び率となりました。熊本酸素は生産現場での省力化ロボットシステムを提案する事業が伸びています。半導体製造工場や関連工場のガスの配管工事も好調で、付随する関連業務が増えています。熊本医療ガスは陰圧装置など感染を抑制する設備機器が今も求められている状況です。くまさんメディクスでは昨年、合志第1工場の隣接地に「合志第2工場」を建設。物流拠点としての機能を併せ持つ工場として2月に稼働予定です。大津町平川には、11月の稼働を目指し「平川第2工場」の拡張を進めています。グループ全体で18拠点・29工場体制になり、派遣・協力会社も含めると3000人弱が働いています。
─半導体需要には波があると聞きます。
白瀬 今は調整局面といえるかもしれません。この機会に業務改善や新規顧客の開拓など、これまであまりに忙しくて十分でなかったことに力を注ぎたいですね。半導体製造装置業界は2025年、遅くとも27年に過去最高の需要増が見込まれています。それまでにすべき準備がいろいろあります。平川の新工場もそのためのものです。菊池市旭志川辺の国道325号沿いに約2万平方㍍の土地購入の手続きを進めているのですが、それも来たる時に備えてのこと。準備に早すぎることはありません。
─ますます人材が必要ですね。
白瀬 今春の新卒採用は32人を予定しています。多くの企業と人材確保を競う中、グループ各社の特徴や価値をしっかり伝えていきたいです。また現在、生成AI向けの半導体製造装置を受注しています。先が不透明で慎重さが求められますが、ここには百数十人規模の新たな雇用が必要です。これは20年くらい前から作り始めていたのですが、その品質の高さを評価いただき、現在の受注につながったものです。
─今後の計画や展望は。
白瀬 熊本酸素では環境問題に対応するため役目を終えたフロンガスを再生する設備導入を計画。くまさんメディクスは「ものづくり」企業としてお客さまのニーズに確実に応えていきます。変化が激しい中、情報収集に努め、迅速に対応していきます。
概要
所在地 | 〒861-5522 熊本市北区下硯川町2205 【電話】096(355)3321 |
---|---|
事業内容 | 高圧ガス製造販売および機械工具販売、半導体製造装置販売、ほか |
創業 | 大正7年5月 |
資本金 | 2,000万円(グループ計1億4,500万円) |
役員 | 代表取締役社長/白瀬嗣久 専務取締役/鳥栖彰孝 常務取締役/久保勝則 取締役/白瀬久美子、白瀬裕久、白瀬景章、白瀬雅隆 常務執行役員/佐藤光秀、石川一馬、門内久哉 会長/白瀬貴美子 |
従業員数 | 1,600人(グループ計) |
支店・営業所 | 福岡営、有明営、久留米営、熊本東営、大分(事)、大津工場、大津南工場、ACC工場、川辺工場、テクニカルセンター、旭志工場、平川工場、菊池工場、合志工場(グループ含む) |
グループ企業 | 熊本酸素(株)、熊本医療ガス(株)、くまさんガス産業(株)、(株)くまさんメディクス、(株)エムアイティ、美笛軻蘇電子科技有限公司(上海・台湾) |
ホームページ | https://www.kumasan.co.jp/ |
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
福島県知事が木村敬知事を訪問
熊本日日新聞 -
熊本県内、インフルエンザが増加傾向 県感染症情報
熊本日日新聞 -
パソコン遠隔操作で個人情報流出か 県暴力追放センター 相談者延べ2500人分
熊本日日新聞 -
DF長嶋(兵庫・相生学院高)の加入内定 ロアッソ熊本 サッカーJ2
熊本日日新聞 -
熊本城「宇土櫓続櫓」の石垣、復旧に向け解体作業に着手 28年度の積み直し完了目指す
熊本日日新聞 -
山鹿灯籠踊り 24歳〝即戦力〟デビュー 歌と三味線担当の竹中さん
熊本日日新聞 -
県庁マンと大学の先生の〝二刀流〟 熊本県財産経営課長の松尾さん 「学問と実務の架け橋に」
熊本日日新聞 -
自己決定、尊重する社会に 明治大法学部教授・鈴木賢さん
熊本日日新聞 -
菊池一族、朝鮮貿易で内紛 郷土史家・堤さん(菊池市)が論文
熊本日日新聞 -
他都市の模索㊦ 富山市、公共交通軸に都市経営 3段階で結節強化 駅を起点にLRT網築く【移動の足を考える 第3部 都市圏交通の今⑪】
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「家計管理」。11月25日(月)に更新予定です。