熊本県酪農業協同組合連合会「笑顔で酪農経営ができる環境づくり」代表理事会長・隈部洋氏
熊日プレジデント倶楽部![代表理事会長 隈部洋氏](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2024-06/p025_1.jpg?itok=VvCPZ9jG)
─酪農の現状はいかがですか。
隈部 円安などの影響で飼料や資材の高騰など酪農業を取り巻く環境は厳しく、一昨年、昨年と2年連続で牛乳価格を改定させていただきましたが、皆さまの変わらぬご愛顧をいただいており、心から感謝しております。また、国と関係機関が実施する「牛乳スマイルプロジェクト」への参加や「父の日に乳(牛乳)を贈ろう」キャンペーン、「農業フェア」での乳搾り体験、フードバンクへの牛乳寄贈など、協力組織がさまざまな理解醸成活動を一般消費者に向けて実施しております。各地域でもイベントや街頭でのPR活動に加え、外国人向けのPRも行っています。
─県酪連の状況はいかがでしょうか。
隈部 令和5年上期の事業高は367億円。前年比106%です。乳業部門は新規取引、大手コーヒーチェーンとの事業提携が順調で、今後も事業拡大を推進します。輸出も好調で、国の畜産物輸出コンソーシアム推進事業などを活用し香港や台湾、シンガポールなどへの海外の販売拡大に積極的に取り組み、数量ベースでは前年比108%となりました。一方、生乳生産量は猛暑の影響で前年比95%。廃業や全国的な需給緩和による生産抑制といった影響下で厳しい状況です。特に半導体企業の進出が著しい菊池地域では周辺の農地転用が進み、牧草地不足などが課題となっています。日本の食糧自給率アップ、食糧安保の観点から国や県とも協調し、牧草地の代替地確保への助成など、酪農を含めた第一次産業の発展を目指したいと考えています。
─熊本工場の増設が進んでいます。
隈部 今年7月に熊本工場の冷蔵倉庫の増設が完成する予定です。ロボットの導入によって自動化を図り、働き方改革を推進。充填機の更新なども都度行い、製品の品質管理の高度化、出荷の合理化などで物流2024年問題に対応していきます。
─大きな節目の年となります。
隈部 今年は設立から70周年、「らくのう牛乳」発売50周年という特別な年です。長年にわたるご愛顧に感謝するキャンペーンや記念事業を展開する予定です。熊本は西日本一の酪農県であり、飼養頭数、生乳生産量ともに全国第3位です。酪農家の減少もありますが、県内酪農家を支え一丸となり、皆さまに安全安心な牛乳を届けてまいります。これからも〝チームマザーズ〟として酪農家が笑顔で安心して経営をできる環境を整えていきたいと思います。
![らくのうマザーズ熊本工場](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2024-06/p025_2.jpg?itok=oG-VDhOU)
概要
所在地 | 〒861-8041 熊本市東区戸島5丁目10-15 【電話】096(388)3511 |
---|---|
設立 | 昭和29年4月3日 |
会員 | 20組合 |
出資金 | 9億5,878万円 |
売上高 | 691億9,800万円 |
事業内容 | 生乳業務事業、購買事業、指導事業、食肉事業、素畜事業、乳業事業、阿蘇ミルク牧場事業 |
役職員数 | 理事12人、監事3人 |
職員数 | 292人 |
事業所 | マザーズ・ステーション(菊池市・宇城市・あさぎり町)、食肉課(菊池市)、熊本工場、菊池工場、阿蘇ミルク牧場 |
支店 | 熊本、福岡 |
営業所 | 関東、関西、中四国、北九州、大分、長崎、南九州 |
協同会社 | (株)マザーズファーム、(株)らくのう運輸 |
ホームページ | https://www.mothers.or.jp/ |
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