「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
熊本県経済農業協同組合連合会「『くまもとブランド』確立を目指す」代表理事会長・丁道夫氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年はどのような一年でしたか。
丁 販売事業は14年連続で1千億円突破を見込んでいます。コメはコロナ禍からの経済活動の正常化が進み、需要が回復傾向にあります。高品質で人気の「くまさんの輝き」の作付面積も拡大しています。物価高騰により消費者の購買意欲低下のあおりを受けた肉牛は取扱高が減少、一方で肉豚は低価格志向から取扱高が増えました。野菜・果実は全国の重点卸売市場へ実施しているトップセールスの成果が価格維持と販売拡大につながっています。また、昨年商品化した県産米100%使用の「純米かすてら」が、6月にモンドセレクション銀賞を受賞しました。これは製粉を熊本製粉で行い、製造を熊本菓房に委託しており、一部の収益は熊本城災害復興支援金として熊本市へ贈呈しています。
─資材高騰が農家に影響を与えています。
丁 配合飼料や生産資材、燃油価格の高止まりは、農家組合員の経営継続に関わるほど深刻な影響を与えています。対策として本年も価格高騰特別対策を実施する予定です。生産資材ではスケールメリットを発揮した価格交渉や銘柄集約によるコスト低減を図ります。具体的には①出荷時の段ボールを県統一規格にする②集中購買や銘柄集約で肥料価格を引き下げる③大型規格・低価格推奨農薬の普及拡大―などを検討しています。全農、他県と連携した共同購入、共同仕入れなどにも取り組みます。また、本会だけでの対策では限界がありますので、国や県に対して支援の拡充を要望していきます。
─今後の取り組みは。
丁 一つは、県域営農指導体制の構築による営農指導力の強化と産地間品質基準の統一です。また、省力化や効率化に向けたスマート農業の推進による生産基盤の維持・拡大に努めます。販売事業においては、統一した「くまもとブランド」の確立と認知度の向上に注力。加えて集出荷施設の共同利用や県域共同物流体制の構築によるコスト低減も重要課題です。輸出は台湾や香港、シンガポール、マレーシアなどを主とし、県と連携しながら農林水産省の農林水産物・食品輸出プロジェクトを利用し、販路拡大も目指します。輸送業界の「2024年問題」には対策プロジェクトを設置して対応。農畜産物の物流コスト、安定供給などへの影響が予測されるため、新幹線を活用した輸送手段など、官民一体となって早急に取り組む必要があると考えています。本年も熊本県域JAの実現を見据え機能強化を図り、農家組合員の目線に立った支援を続けていきます。
概要
所在地 | 〒860-8528 熊本市中央区南千反畑町3-1 【電話】096(328)1115 |
---|---|
設立 | 昭和26年4月1日 |
事業内容 | 農業関係販売、購買事業 |
出資金 | 40億1,669万円 |
職員数 | 240人(2023年12月1日現在) |
役員 | 代表理事会長/丁道夫 (理事12人・監事4人) |
事業所 | 東京事務所、大阪事務所、名古屋事務所、福岡出張所(ほか5事業所) |
関連会社 | 熊本くみあい運輸(株)、(株)エーコープ熊本、ユーユーフーズ(株)、熊本パールライス(株)、熊本クミアイプロパン(株)、(株)熊本畜産流通センター、(株)熊本蛋白ミール公社 |
ホームページ | https://www.jakk.or.jp/ |
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツTHEMES
熊本の交通-
「生活の質や利便性最重視の交通政策を」 熊本市で講演会 熊本商工会議所と熊本経済同友会
熊本日日新聞 -
JR豊肥線で特急列車など2本遅延 断続的な車輪空転
熊本日日新聞 -
熊本県民総合運動公園のアクセス改善 県が実証実験の最終報告書を公表 シャトルバス運行など公費負担多すぎ?
熊本日日新聞 -
熊本空港の施設利用料、値上げへ 国内線は大人200円から320円に 25年3月30日以降の航空券購入分から
熊本日日新聞 -
熊本市電「上下分離」の延期、議論物足りず【熊本市議会を終えて】
熊本日日新聞 -
産交バス、荒尾市の路線バスで運賃誤徴収
熊本日日新聞 -
熊本-釜山線が初就航 韓国LCCイースター航空 毎日運航「旅行などで」
熊本日日新聞 -
TSMC進出「インフラ整備の支援継続を」 熊本県の木村知事、石破首相に要望
熊本日日新聞 -
五木村の「平場」造成など流水型ダム関連に7億7500万円 九州地方整備局が配分公表 「荒尾道路」にも3億円
熊本日日新聞 -
大津熊本道路と大津道路の建設に22億8千万円 国交省が箇所付け発表 補正予算成立受け
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「成年後見制度」。12月27日(金)に更新予定です。