熊本県経済農業協同組合連合会「『くまもとブランド』確立を目指す」代表理事会長・丁道夫氏

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2024年1月1日 00:01
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代表理事会長 丁道夫氏
代表理事会長 丁道夫氏

─昨年はどのような一年でしたか。

丁 販売事業は14年連続で1千億円突破を見込んでいます。コメはコロナ禍からの経済活動の正常化が進み、需要が回復傾向にあります。高品質で人気の「くまさんの輝き」の作付面積も拡大しています。物価高騰により消費者の購買意欲低下のあおりを受けた肉牛は取扱高が減少、一方で肉豚は低価格志向から取扱高が増えました。野菜・果実は全国の重点卸売市場へ実施しているトップセールスの成果が価格維持と販売拡大につながっています。また、昨年商品化した県産米100%使用の「純米かすてら」が、6月にモンドセレクション銀賞を受賞しました。これは製粉を熊本製粉で行い、製造を熊本菓房に委託しており、一部の収益は熊本城災害復興支援金として熊本市へ贈呈しています。

─資材高騰が農家に影響を与えています。

丁 配合飼料や生産資材、燃油価格の高止まりは、農家組合員の経営継続に関わるほど深刻な影響を与えています。対策として本年も価格高騰特別対策を実施する予定です。生産資材ではスケールメリットを発揮した価格交渉や銘柄集約によるコスト低減を図ります。具体的には①出荷時の段ボールを県統一規格にする②集中購買や銘柄集約で肥料価格を引き下げる③大型規格・低価格推奨農薬の普及拡大―などを検討しています。全農、他県と連携した共同購入、共同仕入れなどにも取り組みます。また、本会だけでの対策では限界がありますので、国や県に対して支援の拡充を要望していきます。

─今後の取り組みは。

丁 一つは、県域営農指導体制の構築による営農指導力の強化と産地間品質基準の統一です。また、省力化や効率化に向けたスマート農業の推進による生産基盤の維持・拡大に努めます。販売事業においては、統一した「くまもとブランド」の確立と認知度の向上に注力。加えて集出荷施設の共同利用や県域共同物流体制の構築によるコスト低減も重要課題です。輸出は台湾や香港、シンガポール、マレーシアなどを主とし、県と連携しながら農林水産省の農林水産物・食品輸出プロジェクトを利用し、販路拡大も目指します。輸送業界の「2024年問題」には対策プロジェクトを設置して対応。農畜産物の物流コスト、安定供給などへの影響が予測されるため、新幹線を活用した輸送手段など、官民一体となって早急に取り組む必要があると考えています。本年も熊本県域JAの実現を見据え機能強化を図り、農家組合員の目線に立った支援を続けていきます。

熊本県経済農業協同組合連合会「『くまもとブランド』確立を目指す」代表理事会長・丁道夫氏

概要

所在地 〒860-8528 熊本市中央区南千反畑町3-1
【電話】096(328)1115
設立 昭和26年4月1日
事業内容 農業関係販売、購買事業
出資金 40億1,669万円
職員数 240人(2023年12月1日現在)
役員 代表理事会長/丁道夫
(理事12人・監事4人)
事業所 東京事務所、大阪事務所、名古屋事務所、福岡出張所(ほか5事業所)
関連会社 熊本くみあい運輸(株)、(株)エーコープ熊本、ユーユーフーズ(株)、熊本パールライス(株)、熊本クミアイプロパン(株)、(株)熊本畜産流通センター、(株)熊本蛋白ミール公社
ホームページ https://www.jakk.or.jp/

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