「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
熊本機能病院「『幸せ』見いだす医療・介護・福祉を」理事長・米満弘一郎氏
熊日プレジデント倶楽部─開業以来、地域に根差した医療・介護・福祉を提供しておられます。
米満 医療や介護、福祉は、不調を抱えた患者さんを元の状態に戻すという、マイナスをゼロにすることが目標になると思いますが、同時に、患者さんの「幸せ」を見いだすことにも貢献できるのではないかと考えています。患者さんの人生に伴走する地域医療は、日々「患者さんの幸せとは何か?」に向き合うことでもあるのではないかと思います。幸せの根源に立ち会えるこの仕事を目指す方が今後ますます増えることを願っております。
─新しい医療技術や手術の導入にも積極的に取り組まれていますね。
米満 当院は専門医療と地域医療の両立に取り組んでいます。専門医療の分野では、膝と股関節に関して県内でも多くの手術数を手掛けています。高齢化に伴い、糖尿病や心臓病などの持病をお持ちの患者さんは増加傾向にあり、整形外科だけでなく、内科を含む診療体制でチーム医療を提供できることがますます重要だと考えています。ITや新しい技術の導入により、リハビリテーションも進化しています。車椅子の患者さんが、ロボットの補助によって立ち上がったり、歩いたりすることもできる時代になりました。新しい技術は、患者さんの幸せや尊厳の向上だけでなく、医療従事者のパフォーマンスを高めることにもつながっています。今後とも積極的に取り組みたいと思います。
─新たな取り組みや挑戦はありますか。
米満 未就学児のお子さんが入院される際、付き添いの親御さんから「1〜2時間でも自宅に戻って用事を済ませたい」などのご要望が多く、「ママフリーサポート」というサービスを開始しました。看護師やスタッフらが週2回、サポートさせていただいています。また病院間の搬送に、「ナースカー」と呼ばれる、看護師が同乗する救急車を運行しています。
─今年のトピックと抱負をお願いします。
米満 3月8日、9日の2日間、回復期リハビリテーションの研究大会が熊本市中央区の熊本城ホールで開催されます。2020年に開かれる予定だったものが、新型コロナの影響で延期になっていました。当院の渡邉進副院長が大会長を務め、病院一丸で準備を進めています。開業42年目を迎え、新たな地域医療・介護・福祉を創造するため、これからもチャレンジを続けていきたいと思います。
概要
所在地 | 〒860-8518 熊本市北区山室6丁目8-1 【電話】096(345)8111 |
---|---|
設立 | 昭和56年5月1日 |
診療科 | 整形外科、形成外科、小児形成外科、皮膚科、リウマチ科、救急科、外科、脳神経内科、リハビリテーション科、脳神経外科、循環器内科、血管外科、内科、麻酔科(今泉隆志)、放射線科、耳鼻咽喉科、消化器外科、小児科 |
病床数 | 395床(一般病棟・地域包括ケア病棟・障害者施設等一般病棟・回復期リハビリテーション病棟) |
グループ関連施設 | 介護老人保健施設「清雅苑」、ホームケアサポートセンター、指定運動療法施設「熊本健康・体力づくりセンター」、熊本地域リハビリテーション広域支援センター、熊本市北3地域包括支援センター(ささえりあ清水・高平)、地域交流館、有明海リハビリテーションクリニック、なないろ森の保育園、機能デイトレ、エンタープライズ暖 〈社会福祉法人寿量会〉 特別養護老人ホーム「天寿園」(介護老人福祉施設)ほか |
ホームページ | https://www.juryo.or.jp/ |
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