「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
医療法人回生会リハビリテーションセンター熊本回生会病院「多角的な視野でスポーツ医療を展開」院長・鬼木泰成氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年4月に院長に就任されました。
鬼木 当院は1977年、嘉島町で開院した病院です。前任の院長である大橋浩太郎氏から引き継ぎ、昨年4月に院長に就任しました。新館が完成して約8年がたちますが、熊本地震やコロナ禍が続き、当初の計画通りに取り組みが進んでいません。就任以来、自分たちの描いた未来に向かって安定した病院運営に努めています。
─コロナ禍ではどんな影響がありましたか。
鬼木 当院の病床は回復期病棟に101床、一般病棟に60床あります。コロナ禍では行動が制限され、回復期適応の患者が減少。そこで現在、アフターコロナに向け急性期病院からの受け入れ態勢を強化しました。密なミーティングを通して院内の地域医療連携室を中心に情報を職員間で共有し、急性期病院からの依頼に早急に対応するシステムを構築したことで、入院患者数が増えました。
─スポーツ外来に力を入れています。
鬼木 コロナ禍で減少したスポーツ患者数も徐々に回復しています。スポーツ外傷患者の手術・治療やサポートを目的に、8年前に「スポーツメディカルセンター」(SMC)を立ち上げました。SMCでは、けがを治療するのはもちろん、けが予防、パフォーマンス向上、栄養サポート、チームトレーナー派遣に取り組んでいます。プロのアスリートからジュニアスポーツまで幅広く対応。けがをした子どもたちがスムーズに復帰できるよう、野球やサッカー、バスケットボールなど、種目別に理学療法士を十数人配置し、スポーツの特性に応じたリハビリを提供するとともに、実際にスポーツ大会の現場を経験させながら専門的な知識とスキルを高めている段階です。けがの状況や復帰への悩みを持つ患者へのメンタルサポートに力を入れているほか、越境進学する子どものために他県の病院との連携も図っています。またそれだけにとどまらず、SMCでの治療や手術の結果・検証について国際または全国の医学関連学会で定期的に発表しています。発表数は、この8年間で約90回に上りました。医療系学生や養護教諭向けに、医学に関する講義も行っています。こうした取り組みが評価され、昨年12月に「熊本県生涯スポーツ功労者」を拝受しました。近年、ウオーキングやグラウンドゴルフ、ダンスといった生涯スポーツにいそしむシニア世代が増えています。今後は、シニアの皆さんがより長くスポーツを楽しめるようサポートしていきたいですね。
概要
所在地 | 〒861-3193 上益城郡嘉島町鯰1880 【電話】096(237)1133 |
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事業内容 | 医業 |
診療科目 | リハビリテーション科、整形外科、内科、循環器内科、脳神経外科、外科、麻酔科(標榜医・宮本千里)、放射線科、歯科、歯科口腔外科 |
設立 | 1977年4月 |
資本金 | 8,000万円 |
役員 | 10人 |
従業員数 | 330人 |
関連企業 | 居宅介護支援センター、訪問看護ステーション回生会 |
ホームページ | http://www.reha-kaiseikai.or.jp/ |
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