株式会社九建総合開発「エネルギーの地産地消体制を推進」代表取締役・新永隆一氏

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2024年1月1日 00:01
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代表取締役 新永隆一氏
代表取締役 新永隆一氏

─くい打ち工事の施工実績を教えてください。

新永 皆さんに分かりやすい所を挙げると、JR熊本駅前の超高層免震タワーレジデンス「MJR熊本・ザ・タワー」建設や、富合小学校と帯山中学校の校舎増改築でくい打ち工事を手掛けました。当社は、国内に2台しかない大型のパイルドライバー(くい打ち機)1台を保有するほか、最新鋭の重機を全て自社で所有しています。また技術者に関しては、高校・大学生の新卒採用を毎年続けて若返りを図っていった結果、平均年齢は約40歳と業界では極めて若く、機動力を自負しています。

─地球環境問題への取り組みにも積極的ですね。

新永 県内の家庭から出た使用済み天ぷら油などの廃食用油を原料とする高純度BDF(バイオディーゼル燃料)を、工事現場で使う重機の約9割で使用しています。先に挙げた富合小学校の工事では、軽油に高純度BDFを30%配合した「B30」で重機を稼働させる国内初の実証実験を行い、多くの行政が視察に来ました。高純度BDFはグループ企業の(株)未来樹が取り扱っており、昨年、自社内に精油設備を完成させました。(株)未来樹では高純度BDFを100%使用できる移動式のEV急速充電機を開発。1回の燃料補給でEV車52台分相当の充電が可能です。災害時の非常用電源として、全国の地方自治体に販売していきたいと考えています。

─自社開発製品が国内外で好評と聞きました。

新永 (株)九建では、廃アスファルトを100%再利用可能にする移動式環境型建設機械「アスルB2」を製造・販売しています。短時間で補修する技術に防衛省が着目し、航空自衛隊の基地を中心に沖縄県や宮崎県に導入しています。今後、全国に広がっていくでしょう。海外では、JICAの支援を受けた事業をタイで展開。今年からタイ国全域に納品する予定です。へき地や離島などアスファルトプラントがない地域に需要があり、ASEAN諸国への拡販を視野に入れています。

─今年の抱負をお聞かせください。

新永 昨年、自社内に高純度BDFの精油設備が完成し、エネルギーの地産地消体制を整えました。今年は、温室効果ガスの排出削減量・吸収量を「クレジット」として国が認証し、売買できる「J―クレジット制度」を活用して、クレジットの売却を始めたいと考えています。ここ数年、新しい技術の開発などたくさんの種をまいてきましたので、今年は花を咲かせ、実を結ぶ年にしたいですね。

平時はEV充電機として、非常時は発電機としても活用できる移動式急速充電機
平時はEV充電機として、非常時は発電機としても活用できる移動式急速充電機

概要

所在地 〒861-0136 熊本市北区植木町岩野1375
【電話】096(272)4555
設立 昭和55年5月
事業内容 杭工事
  ①場所打ち杭施工
  地盤改良・オールケーシング工法・スーパートップ工法(大口径岩盤削孔工法)
 ②既製杭施工
  プレボーリング工法・セメントミルク工法・中堀り工法・ドーナツオーガー工法・その他各種認定工法
従業員数 41人(2023年8月現在)
技術者 1級土木施工管理技士 2人
2級土木施工管理技士 3人
1級建設機械施工技士 2人
2級建設機械施工技士 12人
場所打杭基礎施工士  4人
グループ企業 (株)九建、(株)九建運送、(株)未来樹、(株)ナチュール
ホームページ https://kyuken.jp/

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