「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
一貫グループ「医療・介護・福祉のまちづくりに貢献」稲穂会理事長・永野忠相氏
熊日プレジデント倶楽部─地域医療、介護の現状と取り組みについて教えてください。
永野 当グループには社会医療法人稲穂会と社会福祉法人慈永会があり、天草慈恵病院や重症心身障害児(者)施設「はまゆう療育園」、養護老人ホーム「寿康園」、特別養護老人ホーム「梧葉苑」などを運営しています。地元の苓北町を含めた天草地域は高齢化や人口減少が顕著で、家庭内、家族間での介護が非常に難しい状況に陥っています。天草慈恵病院では回復期のリハビリテーション病棟を数年前に開設し、高齢患者などのスムーズな在宅移行に努めているほか、介護医療院や訪問看護・介護、通所リハビリなど多様なサービスを提供できる体制を整えています。ただ、医療・介護分野の人材不足は長年の課題で、現状は外国人の人材に頼らざるを得ません。グループ全体でEPA(経済連携協定)の看護師を含む9人の外国人職員が就業していますが、今年は6人を新規採用する予定です。外国人の職員向けの寮や日本語教育の整備など、サポート体制にも力を入れています。
─医療現場でのDX化を進められています。
永野 限られた人員で業務効率を上げることを目的にDX化を推進しています。当病院では昨年、体温や血圧などの測定値が自動的にシステムに取り込まれるバイタル連携を開始しました。従来は看護師が測定値を電子カルテに手入力していましたが、その必要がなくなりました。今後はAI問診の導入やスマートフォン活用を検討しており、職員の業務負担を軽減するとともに医療・介護の質向上につなげていきたいと考えています。
─今年の取り組みを教えてください。
永野 今年、診療報酬と介護報酬、障害福祉サービス等報酬が一度に改定される予定です。医療や介護の機能分化がより進むのではないかと予想されており、これから示される改定内容に注視していく必要があります。国の第8次医療計画や医師の働き方改革もスタートしますので、天草という地域性を鑑みながら柔軟に対応していきます。また、苓北町では昨年からメタバース(インターネット上の仮想空間)を活用した高齢者向けサービス創出事業が始まりました。当グループも立ち上げメンバーとして参加しており、高齢者の健康管理や医療の効率化、社会活動への参加促進などに連携・協力していきます。高齢者や障害のある方をはじめ、どのような方も住みやすい医療・介護・福祉のまちづくりに貢献したいですね。
概要
所在地 | 社会福祉法人 慈永会 重症心身障害児(者)施設 はまゆう療育園 〒863-2503 天草郡苓北町志岐1215 【電話】0969(35)1258 社会医療法人 稲穂会 天草慈恵病院 〒863-2502 天草郡苓北町上津深江278-10 【電話】0969(37)1111 |
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設立 | 慈永会 昭和47年5月 稲穂会 昭和60年10月 |
理事長 | 慈永会 永野義孝 稲穂会 永野忠相 |
従業員数 | 528人(グループ全体) |
関連施設 | ○慈永会:養護老人ホーム寿康園、特別養護老人ホーム梧葉苑、第2はまゆう療育園、ふれあいスペース如水館 ○稲穂会:介護老人保健施設慈恵苑、天草慈恵病院介護医療院、居宅介護支援事業所ケアプランサービスJCS24、訪問看護ステーションはまゆう、ヘルパーステーションJCS24、通所リハビリテーション蕩蕩館、天草慈恵病院健診センター、住宅型有料老人ホーム和 |
ホームページ | 慈永会 https://www.jieikai.com/ 稲穂会 https://www.inahokai.com/ |
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