株式会社あつまる山鹿シルク「4月、ビジネス新拠点が山鹿に誕生」代表取締役社長・島田裕太氏

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2024年1月1日 00:01
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代表取締役社長 島田裕太氏
代表取締役社長 島田裕太氏

─医療製品開発に関して米企業と連携協定を結ばれています。進捗を聞かせてください。

島田 米企業「VAXESS Technologies」社で、当社のシルク成分を使ったパッチ式ワクチンを開発しています。スタンプを押すように簡単に扱うことができるワクチン接種器で、スタンプ面には極小の針が並び、内部にワクチン成分とシルクから抽出したタンパク質溶液が封入されています。当社ではカイコの餌となる桑を無農薬・無化学肥料で栽培し、無菌大規模養蚕プラントでシルクを一貫生産しています。有機JASやISO9001を取得しており、高い品質と安全性が評価されました。現在、治験を重ねている段階で、アメリカ食品医療品局(FDA)の承認を目指しています。国内でも医療機関と連携してシルク成分を使った医療技術を開発しているほか、さまざまな分野で研究・利用が進んでいます。

─化粧品部門の状況は。

島田 ハンドクリームやボディーウオッシュなど、「やまがシルク」を使った「COKON LAB」というボディーケア商品を販売しています。昨年3月、県内企業と共同開発したノンカフェインの「桑の葉ブレンドハーブティー」を発売しました。桑の葉は食物繊維やミネラルが豊富で健康に良いとされており、大変好評です。皆さんぜひお試しください。今年も新商品を投入する予定です。オンラインストアを含め販路拡大に力を入れており、台湾積体電路製造(TSMC)進出に伴い、台湾向けに展開できるよう準備を進めている段階です。また、やまがシルクの幅広い取り組みが評価され、昨年11月、新興企業の支援イベント「九州・山口ベンチャーマーケット」で、社歴10年以上を対象にした第二創業部門でグランプリをいただきました。

─「やまがBASEプロジェクト」について教えてください。 

島田 山鹿の企業や団体が連携して地域振興活動を推進しています。昨年3月、県内では2例目となる特定地域づくり事業共同組合に認定され、7月に市議会の承認を得て市内の千田小学校跡地を取得。9月に開放日を設けて地域の人々や卒業生に見に来ていただいた後、改修工事に入りました。シェアオフィスやコワーキングスペース、宿泊機能を備えたイノベーションハブ(新サービスや製品を生み出す拠点)施設「やまがBASE」として、4月にオープンする予定です。山鹿という地域性を生かしながら、新しい事業を創出していきたいですね。

やまがシルクを用いたオリジナルブランド「COKON LAB(ココン・ラボ)」
やまがシルクを用いたオリジナルブランド「COKON LAB(ココン・ラボ)」

概要

所在地 〒861-0602 山鹿市鹿北町芋生4041
設立 2014年10月8日
資本金 5,250万円
事業内容 桑の栽培、「天空桑園」運営管理、カイコの飼料作製ほか
代表 代表取締役社長/島田裕太
従業員数 28人(NSP山鹿工場含む)
関連会社 株式会社あつまるホールディングス
ホームページ https://atsumaru-silk.jp

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