「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社あつまる山鹿シルク「4月、ビジネス新拠点が山鹿に誕生」代表取締役社長・島田裕太氏
熊日プレジデント倶楽部─医療製品開発に関して米企業と連携協定を結ばれています。進捗を聞かせてください。
島田 米企業「VAXESS Technologies」社で、当社のシルク成分を使ったパッチ式ワクチンを開発しています。スタンプを押すように簡単に扱うことができるワクチン接種器で、スタンプ面には極小の針が並び、内部にワクチン成分とシルクから抽出したタンパク質溶液が封入されています。当社ではカイコの餌となる桑を無農薬・無化学肥料で栽培し、無菌大規模養蚕プラントでシルクを一貫生産しています。有機JASやISO9001を取得しており、高い品質と安全性が評価されました。現在、治験を重ねている段階で、アメリカ食品医療品局(FDA)の承認を目指しています。国内でも医療機関と連携してシルク成分を使った医療技術を開発しているほか、さまざまな分野で研究・利用が進んでいます。
─化粧品部門の状況は。
島田 ハンドクリームやボディーウオッシュなど、「やまがシルク」を使った「COKON LAB」というボディーケア商品を販売しています。昨年3月、県内企業と共同開発したノンカフェインの「桑の葉ブレンドハーブティー」を発売しました。桑の葉は食物繊維やミネラルが豊富で健康に良いとされており、大変好評です。皆さんぜひお試しください。今年も新商品を投入する予定です。オンラインストアを含め販路拡大に力を入れており、台湾積体電路製造(TSMC)進出に伴い、台湾向けに展開できるよう準備を進めている段階です。また、やまがシルクの幅広い取り組みが評価され、昨年11月、新興企業の支援イベント「九州・山口ベンチャーマーケット」で、社歴10年以上を対象にした第二創業部門でグランプリをいただきました。
─「やまがBASEプロジェクト」について教えてください。
島田 山鹿の企業や団体が連携して地域振興活動を推進しています。昨年3月、県内では2例目となる特定地域づくり事業共同組合に認定され、7月に市議会の承認を得て市内の千田小学校跡地を取得。9月に開放日を設けて地域の人々や卒業生に見に来ていただいた後、改修工事に入りました。シェアオフィスやコワーキングスペース、宿泊機能を備えたイノベーションハブ(新サービスや製品を生み出す拠点)施設「やまがBASE」として、4月にオープンする予定です。山鹿という地域性を生かしながら、新しい事業を創出していきたいですね。
概要
所在地 | 〒861-0602 山鹿市鹿北町芋生4041 |
---|---|
設立 | 2014年10月8日 |
資本金 | 5,250万円 |
事業内容 | 桑の栽培、「天空桑園」運営管理、カイコの飼料作製ほか |
代表 | 代表取締役社長/島田裕太 |
従業員数 | 28人(NSP山鹿工場含む) |
関連会社 | 株式会社あつまるホールディングス |
ホームページ | https://atsumaru-silk.jp |
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
【速報】千原台は32位 全国高校駅伝女子
熊本日日新聞 -
【とぴっく・熊本市】児童養護施設にアイス贈る
熊本日日新聞 -
「るろうにほん 熊本へ」(佐藤健著) 県内各地の魅力を紹介
熊本日日新聞 -
「ロボット・ドリームズ」 犬とロボットの切ない運命【熊本シネマレビュー】
熊本日日新聞 -
【年末回顧くまもと2024】③水俣病患者らの発言遮断 環境省、被害に耳傾けず…根強い不信、遠い信頼回復
熊本日日新聞 -
【2024世相の鏡②】オーバードーズ 「手軽に〝とべる〟から好き」 健康被害が社会問題に、脳への影響も懸念
熊本日日新聞 -
現地案内や資料展示 患者の実体験を後世に【水俣病伝えて 相思社50年③】
熊本日日新聞 -
刺し身のつまが海を救う? 「養殖藻場」で魚やプランクトンが増加 東京の一般社団法人が実験結果まとめる 天草のトサカノリなど
熊本日日新聞 -
【バスケB2第14節・熊本71―91鹿児島】ヴォルターズ、強敵に敗北も「手応えあり」
熊本日日新聞 -
熊本ヴォルターズ、3連勝ならず 鹿児島に71-91 バスケB2
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「成年後見制度」。12月27日(金)に更新予定です。