「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
和久田建設株式会社「独自の『滑り免震構造』が特許取得」代表取締役社長・和久田数臣氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年の施工実績について教えてください。
和久田 熊本豪雨関連では昨年2月にグランドオープンした人吉市の旅館「翠嵐楼」の復旧工事や、その他の復旧土木工事などを手掛けました。最近の傾向としては、以前から多かったドラッグストアなどの店舗案件を維持し、それに加えて工場・倉庫の受注工事が増えている状況です。資材高騰や消費者の購買意欲の低迷もあり、戸建住宅の工事は減っており、全体の売上高としては現状維持というところです。倉庫に関しては台湾積体電路製造(TSMC)の進出の影響が大きく、資材が高騰しているため利益率は下がっているものの、工事金額が非常に大きいため、売上高は大きくなっています。土木分野は大きな変化はありません。
─9月に特許を取得されました。
和久田 熊本地震をきっかけに災害に強いコンクリート住宅として「堅蔵RCキュービック住宅」の開発を進める中で、2019年に出願していたものが実を結びました。特許を取得したのは地盤と建物の基礎を固定しないことで、地震による倒壊などの被害を軽減する「滑り免震」構造です。積極的に販売したいところですが、現在は住宅需要が低調で人員も十分でないため、営業活動も含めて控えめにしている状況です。まずは土地と建物の在庫を売り切ることを優先。弁理士と相談し、自社での設計施工だけではなく、プラン集を基にしてライセンス収入を伸ばすためのノウハウづくりを進めていきたいと考えています。
─昨年、会員制スポーツクラブを運営する子会社を合併。福利厚生部として再編されました。
和久田 社員の福利厚生事業にとどまらず、地域の皆さまの心の健康づくりにも貢献したいという思いがありました。オープンスペース「フリーブ」は、高齢者向けの運転講習や市役所主催のさまざまなイベント、東京から著名な講師を招いたダンス教室などに活用していただいています。
─建設業界の今年の展望は。
和久田 TSMC関連でさまざまな動きがある中、マンションは今後も伸びると考えています。業界共通の課題は技術者不足です。私は「建築は総合芸術」だと思っています。建築の魅力を若い人たちに知ってもらうため、業界全体でイメージアップを図っていくことが大切だと思います。当社の創業は1894(明治27)年。今年5月に創業130周年を迎えます。この機会に会社の成り立ちと変遷を社員と共有したいと思っています。
概要
創業 | 明治27年5月(1894年5月) |
---|---|
設立 | 昭和22年5月(1947年5月) |
事業内容 | 建築・土木・住宅・設計・施工・管理・健康施設 |
所在地 |
(熊本本社) 〒862-0976 熊本市中央区九品寺2丁目8-19 【電話】096(366)8111 (八代本部) 〒866-0055 熊本県八代市迎町2丁目9-10 【電話】0965(32)5171 (福岡支社) 〒812-0006 福岡市博多区上牟田1丁目28-16 【電話】092(475)1575 |
役員 | 4人 |
ホームページ | https://wakuda.jp/ |
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STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
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