株式会社Lib Work「住宅ブランドのライセンス事業開始」代表取締役社長CEO・瀬口力氏

─コラボレーション(コラボ)戦略に注力しておられます。

瀬口　「Afternoon Tea」や「niko and …」「無印良品」などのブランドとコラボした住宅を手掛けています。昨年5月に「niko and …」を運営する「アダストリア」と提携して「EDIT HOUSE」という新ブランドを立ち上げ、当社が窓口となって全国の工務店を対象にIP(知的財産)ライセンス販売をスタートさせました。この事業では、これまで競争相手だった企業が協業相手に変わります。中小工務店は大手ハウスメーカーに比べて知名度が低いので、当社のノウハウを提供し、ブランド力を高める仕組みを構築します。すでに複数の工務店から申し込みがあり、今後の大きな収益の柱に育つのではないかと期待しています。また、工務店向けに定額で住宅プランを提案する「マイホームロボ」については、平面図・内外観パースを含め5000プランほど準備ができましたので、これから全国に営業展開していきます。システムをAIサービス「チャットGPT」と連動させており、プランの説明文も自動で作成可能です。建築業界では設計士不足が課題ですので、解決の一助になればうれしいですね。「住宅業界のプラットフォーマー」を目指し、取り組みを加速化させていきます。

─製材加工会社を子会社化されたそうですね。

瀬口　山鹿市の「幸の国木材工業」の株式を取得し、子会社化しました。当社では、家づくりにおいて木材加工から完成までの自社内製化を進めています。その過程で木材は大きな要素の一つで、コスト削減と質の向上に貢献してくれると考えています。幸の国では地元の杉材を多く扱っていますので、自社で利用するだけでなく、素晴らしい県産材の魅力を広く発信していきます。

─3Dプリンター住宅の進捗は。

瀬口　山鹿市の旧山内小学校を取得し、校舎を改築して第2本社「リブワークラボ」を開設。そこに建設用3Dプリンターを導入しました。3Dプリンターでコンクリートなどを積層する建築手法は、工期短縮やコスト削減、設計自由度の高さが魅力で、建築設計の世界大手「アラップ」(英国)と連携して開発に取り組んでいます。当社では3Dプリンター住宅でも快適性やサステナブル(持続可能性)を追求しており、木造、または新素材の活用を模索しています。初のモデルハウスが完成し、将来的には、他社に3Dプリンター住宅のノウハウを提供する事業も視野に入れています。