国立病院機構熊本医療センター「開放型病院として地域医療連携に力」院長・高橋毅氏

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2024年1月1日 00:01
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院長・高橋毅氏
院長・高橋毅氏

─昨年5月、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行しました。その後の状況は。

高橋 コロナ禍が落ち着いた後も、当院は変わらず満床が続いています。その理由は、開放型病院としての取り組みの積み重ねにあるように思えます。開放型病院とは、病院の施設や機能を地域の医療機関の医師にも開放している病院のことです。登録されている地域の医師が必要と判断された場合に、自身の患者さまを当院に入院させ、その医師と当院の専門医が連携して患者さまの治療に当たるという仕組みです。当院は1996年、熊本市医師会との間で協定を結び、開放型病院として認定を受けました。当時、全国で4番目、国立病院機構では初めてでした。30年弱になるこの取り組みで、現在の登録医師が約1300人、歯科医師は400人ほどになりました。この制度によって多くの患者さまをご紹介いただいています。

─医療の地域連携ですね。

高橋 受け入れた患者さまの状態が落ち着いたら地域の診療所にお返しします。医療機関にはそれぞれ役割があります。開業医の先生と連携、共存することが患者さまの利益につながります。年2回開く「開放型病院連絡会」では、登録されている医療機関の医師や地域連携室の方々に、現状を報告しています。併せて、一般外来や健診、人間ドックなどは開業医の先生にお任せするなど役割分担の方針を明確にお伝えしています。

─医療スタッフの研修状況はいかがですか。

高橋 当院の地域医療研修センターが開催する研修のスケジュールはコロナ前の状況に戻りました。医師、看護師、薬剤師らさまざまな医療スタッフ向けの研修メニューが豊富にあり、熊本県全域からはもちろん、九州各県からも参加してもらっています。参加者は年間4万人弱ほどです。また、職員の宿泊研修も再開することができました。昨年は、新任研修2回、医師、看護師、管理職対象をそれぞれ1回、計5回行いました。このほか、若手職員によるレクリエーションが毎月計画されており、8月には150人でおてもやん総踊りに出場することができました。コロナ前よりも職員の団結力が増した印象があります。

─今年の抱負をお聞かせください。
高橋 救急医療とがん診療を柱として充実した医療活動ができ、患者さまのお役に立てていると思っています。今後も開放型病院としての役割を果たし、地域連携による医療を提供していきたいですね。

将来を担う看護師を育成する熊本医療センター附属看護学校
将来を担う看護師を育成する熊本医療センター附属看護学校

概要

所在地 〒860-0008 熊本市中央区二の丸1-5
【電話】096(353)6501(代表)
設立 1871(明治4)年12月 前身の鎮西兵団病院開設
1945(昭和20)年12月 国立熊本病院として発足
2004(平成16)年4月 独立行政法人化し現在名に改称
診療科 精神科、脳神経内科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科、循環器内科、リウマチ科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科(瀧賢一郎)、総合診療科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、腎臓内科、放射線治療科、救急科、病理診断科、頭頸部外科、腫瘍内科、感染症内科
病床数 550床(一般500床、精神50床)
職員数 1,235人(令和5年4月1日現在)
関連施設 熊本医療センター附属看護学校
ホームページ https://kumamoto.hosp.go.jp/

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