「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
KMバイオロジクス株式会社「海外展開視野に製品開発を強化」代表取締役社長・永里敏秋氏
熊日プレジデント倶楽部─会社設立から5年たちました。
永里 製薬会社には製品の安定供給が求められます。この5年間、安定生産体制の構築に努めてきた結果、現在はしっかりとした基盤を築けたと考えています。業務の改善や効率化に取り組むとともに、人材教育を重ねたことで社員の意識も変わったと感じています。昨年は、当社で開発した5種混合ワクチンの製造販売が厚労省から承認されました。小児の定期接種として使用されている4種混合ワクチン〈百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)〉に、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンが加わった5種混合ワクチンが使用されるようになれば、小児期の予防接種回数の軽減につながります。また、血漿分画製剤は順調に売り上げを伸ばしており、2023年度の売上高は目標の100億円を達成できるのではないかと見込んでいます。
─新型コロナワクチンの開発状況は。
永里 当社では、12歳以下の小児向け不活化ワクチンの開発を進めています。当初は流行初期の従来株での承認申請を目指していましたが、日本を含め世界的に流行しているオミクロン株XBB・1・5系統に対応したワクチンに切り替え、第Ⅲ相臨床試験を昨年12月から開始しました。国内では小児の新型コロナワクチンの接種率は依然として低い状況にあり、安全性が高いとされる不活化ワクチンのニーズは高いと考えています。1日も早く実用化させたいですね。
─今後の展開について教えてください。
永里 会社設立以来、製品の海外輸出を拡大できるよう準備を進めてきました。国内の安定供給が最優先ですが、インフルエンザワクチンや血漿分画製剤の海外輸出を考えているほか、国内では感染リスクが少ないA型肝炎といったワクチンについては、感染リスクのあるアジアやアフリカ圏への技術供与を検討しています。デング熱やエムポックス(サル痘)ワクチンの研究・開発は、国からの支援をいただきながら順調に進んでいます。この二つのワクチンが完成すれば、海外輸出を含め世界に向けて大きく展開できるのではないでしょうか。なお、2023中期経営計画が今年度で終了するため、現在、2026中期経営計画を策定中です。同じ明治グループの医薬品セグメント(部門)であるMeiji Seika ファルマとともに、「グローバル」をキーワードにこれまでの取り組みを強化・発展させていきます。
概要
所在地 | 〒860-8568 熊本市北区大窪1丁目6-1 【電話】096(344)1211 |
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事業内容 | ヒト用ワクチン、血漿分画製剤の研究・開発・製造・供給、動物用ワクチンの製造、新生児マススクリーニング |
設立 | 平成30年3月7日 |
資本金 | 100億円 |
役員 | 代表取締役会長/小林大吉郎 代表取締役社長/永里敏秋 取締役/塩﨑浩一郎、黒沢亨、中山峰男、本松賢、西川正明 監査役/千田広秋、富田正夫 |
従業員数 | 2,015人(2023年11月現在) |
事業所 | 本社/熊本事業所、菊池研究所、合志事業所、阿蘇事業所、新生児スクリーニングセンター、配送センター、東京事務所 |
ホームページ | https://www.kmbiologics.com |
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