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株式会社熊本ホテルキャッスル「客室を改装 インバウンドにも期待」代表取締役社長・田邉一彦氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年6月、社長に就任されました。歴代初となる生え抜きだそうですね。
田邉 当ホテルは1960年に熊本国体にご臨席された天皇皇后両陛下の宿泊所として、熊本の経済界の総力を集結して誕生しました。地元の方々をはじめ、先輩方や社員が培ってきた歴史と伝統を引き継ぐ責任の重さに身が引き締まる思いです。私は95年に入社して以来、レストランや宴会といった料飲部門で接客業務に従事してきました。今後は伝統を守りながら、当ホテルにはないノウハウを少しずつ取り入れ、さらなる成長を実現させていきたいと思っています。
─新型コロナウイルスの5類移行後の業況は。
田邉 昨年の初めごろから宿泊、宴会とも回復傾向にありましたが、5類移行後は特に顕著になりました。宴会が着実に増え、一時期落ち込んだ業績も回復に向かっている状況です。今期の上半期(4―9月)の売上高は前期比38%増。部門別では宴会83%増、宿泊30%増、レストラン3%増でした。コロナ禍前の2019年に比べると約7割といったところですが、地元をはじめ、国内外から応援してくださる皆さまに支えられ、今年度3月期決算は5期ぶりの黒字を見込んでいます。需要が高まる中、ホテル業界でも人材確保が課題となっています。当ホテルでも現在、有給休暇の取得促進や業績改善に伴う賃金の引き上げなど、労働環境の整備に力を入れているところです。
─新たな取り組みはありますか。
田邉 昨年、ポストコロナの宿泊需要の回復に合わせてホテルの価値向上を高めるため客室の改装に踏み切りました。シングルルームの一部をデラックスダブルやツインルームに改装。「より快適に、より心地よく」をコンセプトにゆとりあるリビングスペースやベッドスペース、バスルームなど調和のとれたデザインに仕上げました。改装後は、おかげさまで稼働率・室単価ともに順調に推移しています。
─インバウンド需要が高まっています。今後の展望を聞かせてください。
田邉 アジア圏をはじめ、欧米など海外からの観光客の増加を見込んでいます。私たちが目指すのは、国内外のお客さまをお迎えする熊本の「迎賓館」。地域一のおもてなしを目標とするのはもちろん、これまで培ってきた当ホテルの最大の強みである料理部門の伝統を継承し、和洋中含めて「食事といえばキャッスル」という認知度をさらに高め、発展できるよう努めていきます。
概要
所在地 | 〒860-8565 熊本市中央区城東町4-2 【電話】096(326)3311 |
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事業内容 | ホテル業、政府登録ホテル |
設立 | 昭和35年4月20日 |
資本金 | 1億円 |
役員 | 代表取締役社長 総支配人/田邉一彦 常務取締役 総料理長/松田祐一 取締役 副総支配人/佐藤敬博 取締役/上野景昭、吉村浩平、長野和男、出田敬雄、古荘貴敏、本松賢、須田貞則、藤井章生、久我彰登、上野淳、内山秀成、與縄義昭 常勤監査役/西村浩二 監査役/甲斐隆博、坂本俊宏 |
従業員数 | 271人(2023年4月1日現在) |
館外店舗 | 「キャッスル ワールド」(鶴屋百貨店内) |
ホームページ | https://www.hotel-castle.co.jp/ |
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