熊本不二コンクリート工業株式会社「さらなる品質向上と安定供給体制へ」代表取締役・山田敬太氏

─コンクリート二次製品の需要が伸びているようです。

山田　コンクリート二次製品は道路の側溝、歩道と車道の境界、造成地や斜面の土留めや擁壁などをはじめ、さまざまな用途に使用されています。あらかじめ成形されたコンクリート二次製品なのでこれを使うことで工事期間を短くでき、現場の人手を省くことが可能になります。当社は各現場に合ったサイズの製品を幅広く取りそろえ、供給できる体制を整えています。現在では約4000種類に及ぶ製品を全て菊池市泗水町の工場周辺13㌶の敷地に集め、顧客からの注文に素早く対応できるようにしています。必要とされるあらゆる製品を1カ所に全部そろえておくことで、生産管理だけでなく在庫や配送の管理もしやすくなり、それが当社の強みとなっています。

─県北地域では工業団地整備や倉庫建設、宅地造成などの計画が進んでいます。

山田　当社の売り上げの半数以上を民間開発物件が占めています。工場はフル操業の状態になっており、需要の高まりを実感しています。その一方で資材の高騰が続いているため、昨年は製品の安定供給とさらなる品質向上を約束し、顧客に製品の値上げをお願いしました。近年は以前にも増して人手不足対策が大きな課題となってきましたので、需要の増加に浮かれることなく、気を引き締めていかなければならないと考えています。

─人材確保にどう取り組んでいますか。

山田　賃金のベースアップをして休日を確保し、働きやすい職場環境整備に努めています。中途採用を活発に行い、他業界の人材やUターン人材、人材派遣のほか、インドネシアやベトナムからの技能実習生を十数人受け入れています。また求職者にも当社のことが分かりやすいようウェブサイトをリニューアルしました。昨年は創業50周年の節目の年でしたが堅苦しい記念式典などは開かず、新入社員も含めた全従業員に一律で記念の特別賞与を支給しました。働く従業員の努力があったおかげで当社の今日があるとの思いを表したつもりです。引き続き人材が集まり、育っていく労働環境にするにはどうすればいいかを考え、改善に努めていきます。

─今年の抱負をお聞かせください。
山田　今年も旺盛な需要が期待されます。多様な注文に柔軟に対応できるよう生産と素早い配送に努めます。そして製品の品質向上を目指し、今年はハードルをもう一段高く設定してやっていきます。