「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
熊本大同青果株式会社「社内プロジェクトで新規取引が拡大」代表取締役社長・月田潔孝氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年の事業状況はいかがでしたか。
月田 猛暑と水不足の影響を受けて国内全域で青果物の出荷量が減る中、当社の出荷量は前年を上回り、さらに単価高だったことから5年連続の増収増益となる見込みです。業績好調の要因の一つは、新規取引を拡大するため3年前に始めた「まるごと大同プロジェクト」の成功だと思います。取引先の生産者が自分の担当外の品目を作っていたら、部内で別の担当者を紹介し、新規取引が成立後は紹介した社員も評価する仕組みです。2022年度の新規取引は約600件あり、10億円の売り上げにつながりました。23年度はさらに前年を上回るペースで成果が出ています。
─冷凍・乾燥野菜も取り扱っています。
月田 冷凍野菜の加工製造を始めて、今年で4年目となります。現在は県内産のホウレンソウ、コマツナ、ミカン、不知火、イチゴ、ブロッコリー、ケールの7品目を製造。セブン−イレブンのグリーンスムージーには当社の冷凍ケールが使われています。ナスの素揚げなど加工野菜の冷凍化に向けた試作も行っています。乾燥野菜は独自ブランド「HOSHIKO」を展開しており、昨年4月にはHOSHIKOを使った料理を楽しめる初の直営店を福岡市西区にオープンしました。
─販路拡大や輸出事業を強化しています。
月田 昨年3月、埼玉県の丸和運輸機関と生鮮食品の流通に関する業務提携をしました。関東・関西圏の量販店にチャネルを持つ同社と協業して販路拡大を目指す方針です。昨年は当社独自ブランドの「くまもとDelicious」を立ち上げ、10品目の野菜・果実を県外の量販店で販売しています。輸出事業も強化しており、現在は香港、台湾、タイなどに県産品を輸出。さらなる販路の拡大に向けて、昨年2月から香港の「シティスーパー」に女性社員一人を出向させています。海外では県産品が日本の数倍の価格で販売されるため、生産者の収益とモチベーションの向上につながります。
─今後の展望をお聞かせください。
月田 社員が健康で、物心両面で幸福を感じることができる組織づくりを目指しています。当社には親子で働く社員が7組、兄弟が10組います。自分の大切な人に当社を勧めてくれることを、ありがたく感じています。今後、毎年10%の売り上げ増を実践し、2030年の創立70周年に売上高800億円を達成することを目指して、社員一丸となって取り組んでいきます。
概要
所在地 | 〒860-0058 熊本市西区田崎町484 【電話】096(323)2500 |
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事業内容 | 青果物卸(市場経営) |
設立 | 昭和36年3月 |
資本金 | 3,000万円 |
従業員数 | 394人(関連会社、パート含む) |
役員 | 代表取締役会長/月田求仁敬 代表取締役社長/月田潔孝 取締役副社長/梅田孝巳 専務取締役(葉茎菜部担当)/竹原由幸 常務取締役(根菜部担当)/河添洋平 常務取締役(果実部担当)/永田健二 常務取締役(特販部担当)/白石芳久 常務取締役(管理本部担当)/緒方大介 常務取締役/月田敬志郎 執行役員/津田裕一郎、藤本将史 監査役/久峨章義 |
グループ企業 | 熊本大同ホールディングス(株)、(株)大同リース、(株)HOSHIKO Links、熊本大同フーズ(株) |
ホームページ | 会社ホームぺージ https://www.oyasai.ne.jp/ 果物・フルーツのお取り寄せ通販【とっぺん市場】 https://10831.jp/ |
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