「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社ヤマックス「インフラ整備と循環型社会に貢献」代表取締役社長・茂森拓氏
熊日プレジデント倶楽部─業況について教えてください。
茂森 昨年3月期連結決算で純利益48・3%増の5億4000万円を達成し、上場以来、最高益となりました。今年3月期決算(通期)は、その実績をさらに上回る予定です。要因はいくつかありますが、新型コロナの影響を受けストップしていた案件が動き出したことや、国が進める国土強靭化、九州・沖縄方面の防災関連事業の拡大が大きいです。加えて、工場での生産量を平準化するなど、自助努力でコストダウンにつなげたことが奏功しました。今後、建設現場での働き方改革が進んで4週6休が定着してくれば、工場でパーツを造り現場で組み立てるわが社の「プレキャストコンクリート製品」の需要はさらに高まると見ています。建築、設計もできるコンクリート二次製品メーカーとして培ってきた強みを生かし、社会インフラ整備に貢献するとともにさらなる発展につなげていきたいです。
─昨年、創業60周年を迎えました。
茂森 企業の平均寿命が30年と言われる中、60周年を迎えられたのは、揺るぎない基盤を築いてきた先輩方をはじめ、株主の皆さまや取引先の皆さまのご支援の賜物と深く感謝申し上げます。節目を機に原点回帰し、「当たり前のことを、丁寧にやる」という〝ヤマックススピリット〟をしっかり継承していきたいと思います。一方で、時代にそぐわなくなってきたことは刷新していく必要があります。そこで社長直轄プロジェクト「YP推進チーム」を昨年9月に立ち上げ、問題点の洗い出し・改善に努めています。この取捨選択と凡事徹底を通して主軸を強固にしつつ、活躍の場をさらに広げていきたいです。
─社員満足度向上、SDGs推進にも積極的です。
茂森 優秀な人材確保を念頭に置き、23年ぶりとなるベースアップ、初任給アップ、さらに決算賞与の支給を決め、実質10・5%程度の大幅賃上げを実施しました。また、完全週休2日制の導入、三大疾病保険の会社負担、60歳から65歳への定年延長などの制度を整備しています。これらが社員満足度を押し上げ、パフォーマンス向上につながることを期待します。SDGsに関する取り組みは、セメント由来のCO2削減を目指して国内の主要コンクリートメーカー約60社が手を結んだ「aNET ZEROイニシアティブ」に参画。2040年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとするための自社ロードマップを策定中です。将来的に持続可能な建材の開発やエネルギー効率の向上を通し、循環型社会の構築に貢献できるように力を尽くします。
概要
所在地 |
〒862-0950 熊本市中央区水前寺3丁目9-5 【電話】096(381)6411 |
---|---|
事業内容 | 土木・建築用コンクリート製品の製造・販売・戸建て住宅の販売 |
設立 | 昭和38年10月10日 |
資本金 | 17億5,204万円 |
役員 |
代表取締役会長/茂森 潔 代表取締役社長/茂森 拓 取締役副社長/森 將彦 常務取締役/名村朝克、西田親良 取締役/浦崎啓介、渡辺宏之、津留清 監査役/長岡純生、松山隆文、中島邦介 |
従業員数 | 506人 |
支店等 | 3支店、8工場、8営業所 |
関連会社 | (株)東北ヤマックス、(株)HOCヤマックスほか |
ホームページ | https://www.yamax.co.jp/ |
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
福島県知事が木村敬知事を訪問
熊本日日新聞 -
熊本県内、インフルエンザが増加傾向 県感染症情報
熊本日日新聞 -
パソコン遠隔操作で個人情報流出か 県暴力追放センター 相談者延べ2500人分
熊本日日新聞 -
DF長嶋(兵庫・相生学院高)の加入内定 ロアッソ熊本 サッカーJ2
熊本日日新聞 -
熊本城「宇土櫓続櫓」の石垣、復旧に向け解体作業に着手 28年度の積み直し完了目指す
熊本日日新聞 -
山鹿灯籠踊り 24歳〝即戦力〟デビュー 歌と三味線担当の竹中さん
熊本日日新聞 -
県庁マンと大学の先生の〝二刀流〟 熊本県財産経営課長の松尾さん 「学問と実務の架け橋に」
熊本日日新聞 -
自己決定、尊重する社会に 明治大法学部教授・鈴木賢さん
熊本日日新聞 -
菊池一族、朝鮮貿易で内紛 郷土史家・堤さん(菊池市)が論文
熊本日日新聞 -
他都市の模索㊦ 富山市、公共交通軸に都市経営 3段階で結節強化 駅を起点にLRT網築く【移動の足を考える 第3部 都市圏交通の今⑪】
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「家計管理」。11月25日(月)に更新予定です。