株式会社前田産業「複雑で繊細な解体工事を安全確実に」代表取締役社長・木村洋一郎氏

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2024年1月1日 00:00
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代表取締役社長 木村洋一郎氏
代表取締役社長 木村洋一郎氏

─県外での事業展開を強化されています。

木村 熊本地震の後、首都圏や中部、関西などの大都市で解体事業を展開してきました。東京都中央区の築地卸売市場や宮崎市の県立宮崎病院旧病棟などの解体工事の際は、保有重機とその運転資格者の数が日本有数であることが強みとなり、その強みを生かしたことが多くの受注につながりました。解体現場というと大きな重機を使って建物を一気に壊すイメージがあるかもしれませんが、当社が得意とするのは、実は解体の際に細心の注意を必要とする現場です。例えば大きな重機が入らない場所で、周囲の設備や機械などを傷つけないよう慎重かつ安全確実に解体作業を行うというものです。半導体関連企業の工場内の製造ライン解体などはまさにそうした仕事になります。

─昨年は阿蘇神社楼門の復旧工事現場の解体作業が新聞で紹介されました。

木村 熊本地震で被災した阿蘇神社復旧の最終段階が、楼門を覆う素屋根や足場などの解体工事でした。現場に行くと楼門の屋根は新しい銅板がピカピカと輝いていました。解体の際にボルトなどが一つでも楼門に落ちたとすると、修復したばかりの建物を傷つけてしまいます。そこで解体の際の落下物を想定して楼門をネットで覆い、さらに解体作業員の近くには大網で落下物をキャッチする人員も配置しました。貴重な文化財で、しかも神さまを祭る神社の仕事でしたので現場責任者も緊張感を維持して仕事を進めていました。数年前の熊本城天守閣の復旧最終段階の足場解体工事も当社が担当しましたが、同様にデリケートな仕事でした。

─昨年、印象に残ったことは。

木村 11月に熊本市で開催されたバドミントンの国際大会「熊本マスターズジャパン2024」のオフィシャルスポンサーとして当社も大会開催に協賛しました。会場では世界トップクラスの選手たちの熱戦が繰り広げられ、観戦された方々も楽しんでおられたようで、私もうれしく思いました。

─今後の展望をお聞かせください。

木村 私は2001年から社長を務め事業を拡大してきました。近年は業務のデジタル化が急速に進み、社員が会社に求めることも変化したと感じています。そこで現在は、本業の「解いて帰す職人たち」を束ねる解体事業を後継者に引き継ぐ準備を進めています。今年中に引き継ぎを終え、来年からは新体制で事業の持続的な成長を目指してもらいたいと思っています。

SK2200大型重機解体風景
SK2200大型重機解体風景

概要

所在地 〒861-4114 熊本市南区野田3丁目13-1
【電話】096(358)6600
事業内容 総合解体業・産業廃棄物処理業
設立 昭和49年12月24日(創業 昭和37年4月1日)
資本金 2,900万円
役員 4人
従業員数 212人
支店・営業所 東京支店、名古屋支店、大阪支店、広島支店、福岡支店、鹿児島支店、沖縄支店、天草リサイクルセンター、宇城支店、人吉支店
ホームページ https://www.maedasangyo.co.jp/

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