「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
本田技研工業株式会社熊本製作所「二輪車生産 累計2千万台を突破」所長・島添正規氏
熊日プレジデント倶楽部─熊本製作所の役割を教えてください。
島添 ホンダで完成品を作る国内の製作所は埼玉・鈴鹿・熊本の3カ所で、当製作所は国内唯一の二輪車生産拠点です。また除雪機や耕運機、発電機、船外機などパワープロダクツの製造も手掛けています。全世界25カ国42工場ある二輪車とパワープロダクツの生産拠点を技術でけん引するグローバルマザー工場の役割を担っており、技術支援や駐在員派遣を行っています。
─二輪車市場の動向を教えてください。
島添 二輪車市場はまだまだ成長の余地があると考えています。コロナ禍で密を避けた移動手段として公共交通機関から二輪車に変えた人は少なくありません。またアウトドアでの需要も高まり、遊び方の一つとして定着してきた感があります。特に欧州で大型二輪車の需要が高く、コロナ禍前よりも生産を増やしている状況です。昨年は当製作所での二輪車生産台数が累計2千万台突破しました。10月にはバイクファンを招くイベント「Hondaモーターサイクルホームカミング熊本」を4年ぶりに来場制限なしで開催し、国内外から3千人が集まり工場見学やサーキットでの試乗を楽しんでいただきました。
─カーボンニュートラルへの取り組みは。
島添 製品では「電動化」がCO2対策の大きな潮流に挙げられます。当製作所では電動三輪車「GYRO e:」と屋根付きの「GYRO CANOPY e:」を量産しています。また、着脱式可搬バッテリー「モバイルパワーパック」や業務用作業機向け電動パワーユニットなど動力源でもカーボンニュートラルに取り組んでいます。企業活動では太陽光パネルと国内民間生産工場〝初〟メガワット蓄電池を設置し工場使用電力に使用、工場の食堂から出る廃棄天ぷら油を原料としたバイオディーゼル燃料を構内物流トラックの燃料に使用し省エネ・創エネを進めています。リソースサーキュレーションの取り組みとして新車開発においてはバイオマス樹脂材や、アルミや鉄の再生材といった「サステナブルマテリアル」の適用機種を順次拡大しています。
─今後の目標をお聞かせください。
島添 再来年の創立50周年に向けて、世界に先駆けたカーボンニュートラルとデジタル技術で高効率化を誇るスマートファクトリーの実現を目指します。また、昨年の社会人野球日本選手権大会では惜しくも準優勝に終わりましたので、今年は全国優勝を目指します。皆さん応援よろしくお願いします。
概要
所在地 |
〒869-1293 菊池郡大津町平川1500 【電話】096(293)1111 |
---|---|
操業開始 | 昭和51年1月 |
事業内容 |
輸送用機械器具製造 二輪完成車 二輪KD用エンジン パワープロダクツ製品 パワープロダクツ用エンジン 四輪自動車エンジン部品 |
従業員数 | 約4,000人(2023年11月末現在) |
ホームページ | https://global.honda/jp/kumamoto/ |
本社 |
〒107-8556 東京都港区南青山2-1-1 【電話】03(3423)1111(代表) |
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