「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
社会医療法人愛育会福田病院「立ち会い出産や家族ディナーを再開」理事長・福田稠氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年5月、新型コロナウイルス感染症が5類に移行しました。
福田 再び大きな感染の波が来るのではないかと心配しましたが、感染者は出るものの重症者は少ない状況になりました。当院では人生の大切な1ページである出産を感動的なものにしようと、立ち会い出産や家族とのディナーなどに取り組んできました。母性も父性も一生かかって育むものです。そのスタート地点として立ち会い出産は素晴らしい経験になります。これらの取り組みはコロナ禍で制限していましたが、感染症対策に留意しながら再開しています。以前より子育てを楽しむ男性の姿が多く見られるようになり、時代の変化も感じています。
─昨年の出産の状況はいかがでしたか。
福田 3年ほど前から力を入れている無痛分娩が増え、帝王切開と自然分娩と3分の1ずつ程度の割合になりました。女性の社会進出が進む中、「痛くない方がいい」「疲れず、早く回復したい」といった女性たちの出産への思いを尊重したいですね。そのために約4年前、無痛分娩の安全性を高める産科麻酔科医を育成する産科麻酔学の寄付講座を、熊本大学病院に開設。現在は産科麻酔科医が夜間も当直する24時間体制を整えています。
─支援が必要な妊産婦と新生児への対応は。
福田 「母子サポートセンター」を設置し、専門職が協力して母子を支援する取り組みを継続しています。県からの委託で2017年から産前産後母子支援事業を、22年からは自立支援の居所提供事業に取り組んでいます。現在、院内に1室、近隣のマンションに2室の計3室を準備し、関係機関と連携して地域や行政の支援につないでいます。また、中高生向けの無料相談を実施していることから未成年者の未受診での出産は減っていますが、妊娠は増えている印象です。
─今年の抱負や展望をお聞かせください。
福田 全国的に産婦人科が減少傾向にあり、地域格差をなくし患者の利便性を高めるために、地域の医療機関や医師との連携を深めることが必要だと考えています。また、半導体企業の熊本進出を機に外国からの居住者が増えていることから、今後は外国人妊婦・患者への対応能力を上げていきます。関連病院である「菊陽レディースクリニック」と「まつばせレディースクリニック」では現在、より快適に過ごしていただけるよう一般病室の拡張工事を進めています。医療、看護、接遇のレベル向上を図り、当社会医療法人の合併を目指します。
概要
所在地 |
〒860-0004 熊本市中央区新町2丁目2-6 【電話】096(322)2995 |
---|---|
設立 | 明治40年5月 |
法人化 | 昭和59年12月 |
役員 |
理事長/福田稠 病院長/河上祥一 |
従業員数 | 590人 |
関連施設 |
まつばせレディースクリニック 菊陽レディースクリニック ソフィアレディースクリニック水道町 八代レディースクリニック 介護老人保健施設・孔子の里 介護老人福祉施設・泗水苑 |
ホームページ | https://www.fukuda-hp.or.jp/ |
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連載・企画-
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