「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社フェローテックホールディングス 「熊本新工場を軌道に乗せ 地域貢献」代表取締役社長・賀賢漢氏
熊日プレジデント倶楽部─「日本回帰」の方針を示されています。
賀 当社は医療機器や太陽光発電、自動車産業をはじめ、生活のあらゆる場面で使われている半導体の製造に欠かせない部品や関連サービスを提供しています。1980年に米国企業の子会社として発足し、87年に独立。東南アジアや中国に生産拠点を広げ、96年に当時の店頭市場に上場を果たしました。99年には米国の元親会社を子会社化し、近年は主に中国で生産拠点を広げてきました。しかしコロナ禍以降、各国で半導体産業サプライチェーンの地産地消を模索する動きが顕著となり、日本の顧客も国内のサプライヤーからの安定した部材調達を望む傾向が強くなっています。これまで以上に積極的に日本国内で投資を行い、日本の半導体産業への貢献度を高めることがグループ全体の企業価値向上につながると判断し、「日本回帰」の方針を示しました。
─大津町に構築される新生産拠点の概要は。
賀 熊本では、台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出を受け、半導体デバイス、半導体製造装置、関連部材などメーカーの集積が進んでいます。当社は、これらのどの工場ともアクセスの良い大津町に生産拠点を確保しました。展開する事業は、消耗品でもある石英製品および装置部品洗浄サービスの二つ。半導体製造の工程で常に必要となるものをいつでも提供できるので、各社の安定した生産に寄与できるはずです。工場は、2024年中の竣工を予定しています。
─現地での投資や雇用に関するお考えは。
賀 2023年10月13日に県庁で行われた企業立地協定調印式の際に表明した通り、当面は二つの事業で160億円程度の投資を行い、段階を追って250名程度を雇用する計画です。熊本新工場を軌道に乗せ、中長期で事業規模を拡大させていくためには、熊本県および九州エリアを中心とした採用の強化が不可欠だと考えています。
─最後に、熊本の皆さんへのメッセージをお願いいたします。
賀 当社は長期目標として2030年度の連結売上高5000億円を定めています(2022年度実績2108億円)。この目標を達成する上でも日本、そしてシリコンアイランド九州の中心となる熊本での事業は極めて重要です。多くの半導体メーカーが集まってきている熊本には、「世界の熊本」になってほしい。そして、熊本の方々がその恩恵を受けられるような将来を切望しています。2024年はきっと良い年になるのではないでしょうか。
概要
所在地 |
本社:東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル5階 熊本工場:菊池郡大津町杉水一の迫2985-1 |
---|---|
設立 | 1980年9月27日 |
業務内容 | 半導体製造装置部品・電子デバイス製品の製造・販売 |
資本金 | 294億2,565万円(2023年3月時点) |
売上高 | 連結:2,108億円(2023年3月期決算) |
従業員数 | 連結:13,116人 単独:66人(2023年3月時点) |
関連会社 | 株式会社フェローテックマテリアルテクノロジーズ |
ホームページ | https://www.ferrotec.co.jp/ |
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