「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
株式会社肥後銀行「オール九州で地域の未来を後押し」代表取締役頭取・笠原慶久氏
熊日プレジデント倶楽部─中期経営計画は順調に進んでいますか。
笠原 第3次グループ中期経営計画「改革」において、2年目の昨年3月期決算では肥後銀行、九州フィナンシャルグループ(FG)共に過去最高益を計上しました。今年度もその勢いを継続し、業績は順調に推移しています。われわれが「地域価値共創事業」と呼ぶ銀行以外の事業部門についても、2022年に開業した投資助言会社「九州みらいインベストメンツ」が初年度から黒字となるなど、さまざまな事業が好調で手応えを感じています。
─台湾積体電路製造(TSMC)進出による経済波及効果を10年間で約6・9兆円と公表しました。
笠原 昨年8月に公表したときはかなり大きなインパクトがありましたが、九州・熊本の企業も自らしっかり投資をし、技術力を上げてTSMCのサプライチェーン(供給網)に入っていくことがとても重要だと思います。われわれは昨年4月に設置した半導体クラスター推進室を中心に九州FGも一体となって支援を行い、九州経済界や他の金融機関とも連携し、オール九州で「新生シリコンアイランド」の構築に取り組んでいきたいと考えています。一方で、水資源に代表される自然資本や文化資本をしっかりと保全しながら進んでいくことも大事です。トータルでこの流れがサステナブル(持続的)に進むよう、私たちが後押ししていかなければならないと思っています。
─SDGsの取り組み、特にカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを積極的に行っています。
笠原 昨年、当行はCO2排出量算定システム「Zero-Carbon-System(通称・炭削くん)」を開発しました。電気やガソリンなどのエネルギー消費データを入力することで、CO2排出量の算定だけでなく、削減目標の設定と達成に向けた進捗管理や算定結果のレポート出力ができます。今年1月末からサービスを開始し、排出量を〝見える化〟して把握できるシステムを活用いただくことでお客さま、そして地域全体のカーボンニュートラルの実現を目指していきます。
─今後の抱負についてお聞かせください。
笠原 今年4月から、新たなグループ中期経営計画がスタートします。2030年度を見据えて掲げた長期ビジョンである「地域価値共創グループへの進化」をさらに加速させていきます。そして徹底的に熊本経済および九州経済の躍進に貢献していくことで、地域のお客さまとともにより良い未来を切り開いていきたいと思います。
概要
所在地 |
〒860-8615 熊本市中央区練兵町1 【電話】096(325)2111 |
---|---|
設立 | 大正14年7月 |
業務内容 | 普通銀行業務 |
資本金 | 181億円 |
役員 |
代表取締役会長/甲斐隆博 代表取締役頭取/笠原慶久 代表取締役副頭取/山木仁 取締役専務執行役員/田島功 取締役常務執行役員/岩立康也、多田理一郎、池田誠、髙本芳郎 |
従業員数 | 2,170人 |
店舗数 | 125 |
グループ会社 | 肥銀リース(株)、JR九州FGリース(株)、肥銀カード(株)、肥銀キャピタル(株)、肥銀ビジネスサポート(株)、肥銀ビジネス教育(株)、肥銀オフィスビジネス(株)、九州みらいインベストメンツ(株) |
経営統合 |
平成27年10月、(株)鹿児島銀行と経営統合。 共同持株会社 (株)九州フィナンシャルグループ設立 |
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