「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
医療法人社団誠療会成尾整形外科病院「脊椎・脊髄治療の専門性を生かして」理事長・成尾政一郎氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年は新院長を迎えました。
成尾 熊本大学病院で脊椎・脊髄腫瘍の専門医として手腕を発揮した藤本徹氏を院長として迎えました。経験に基づく知見と高度な医療技術を有し、後進の育成にも尽力しています。そのほか当院では昨年、より安心して安全に手術を受けられるように麻酔科医を増員しました。
─脊椎・関節疾患の新しい治療法に取り組んでいます。
成尾 社会の高齢化に伴い腰や脊椎、関節などの疾患に悩む人が増えています。当院では全体術数の約7割を脊椎関連疾患が占めています。2020年には椎間板ヘルニアに対する椎間板酵素注入療法実施可能施設の認定(日本脊椎脊髄病学会)を受け、症例数は累計で300例を超えました。この治療法は保存療法と手術の中間に位置するもので、保険診療となっています。保存療法では症状が改善しない人が対象で、椎間板ヘルニアに対する治療の選択肢が広がりました。体力的・精神的負担も少なく、治療翌日には退院できる例がほとんどです。長く仕事を休めない現役世代から喜びの声が届いています。
─今年は診療報酬改定や医師への働き方改革法適用が予定されています。
成尾 今年は医療、介護、障害福祉サービスの報酬が同時に見直される予定です。医療面では外来医療の再検討や医師の働き方改革、さらには医療DXの推進や医療と介護の連携などが課題となっており、私たちも早急に対処していかなければなりません。まずは長時間労働の要因となる医師に偏った業務の一部を他のスタッフが分担する「タスクシフト」や「タスクシェア」、情報システム導入による業務の合理化、他のスタッフの負担軽減なども含め、慎重に検討を進めているところです。目の前の課題に一つずつ取り組んでいくことで、医師の働き方改革、ひいては医療体制の強化と医療の質の向上につなげていきたいと考えています。
─新年の抱負をお聞かせください。
成尾 当院は1977年に脊椎疾患・関節疾患の専門病院として開院以来、新たな医療技術を取り入れ、患者さまの早期社会復帰に向け、全てのスタッフが連携し治療に当たってきました。3年後には創立50周年を迎えます。今後も苦痛の軽減や身体的負担を可能な限り低減する治療技術に磨きをかけ、脊椎・脊髄治療分野における当院の専門性を生かしながら、地域に根差した医療機関として質の高い医療を提供していきます。
概要
所在地 | 〒862-0958 熊本市中央区岡田町12-24 【電話】096(371)1188 |
---|---|
業務内容 | 医業 |
設立 | 昭和52年1月 |
資本金 | 1,000万円 |
役員 | 4人 |
従業員数 | 186人 |
診療科目 | 整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科、内科、麻酔科(中野伸彦)、漢方内科 |
許可病床数 | 103床 |
ホームページ | https://naruoseikei.com/ |
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