「熊日プレジデント倶楽部」は、熊本を代表する有力企業や団体、教育・医療機関のトップと熊本日日新聞社で構成する情報発信・交流の場です。会員企業・団体のトップが自社の現在地や今年の展望を語った新春インタビュー、イベントリポートなど各種コンテンツは特設ページよりご覧いただけます。
ナカヤマ精密株式会社「“ものづくり”の新たな拠点が稼働」代表取締役社長・中山愼一氏
熊日プレジデント倶楽部─昨年、菊陽町のテクニカルセンター内に新工場を建設されました。
中山 新工場は「第2テクニカルセンター」と呼んでいて、昨年8月に稼働しました。鉄骨造り一部2階建てで、延べ床面積は約3370平方㍍です。当社は超微細な精密金属加工を得意としており、工場増設により大型の装置組み立てにも対応できるようになりました。工場内に余裕のある空間を確保できたので、最新設備の導入を10年先まで続けられます。また災害など緊急時も事業を継続できるよう、西原村の熊本工場と同じ製品を第2テクニカルセンター(菊陽町)でも製造できる体制にしました。新工場の場所は台湾積体電路製造(TSMC)の子会社「JASM」(同町)に隣接しています。30年来の取引先であるソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(同町)も新工場建設を発表しており、近辺の道路整備も計画されているので、周辺地域はこれから変貌するでしょうね。
─大阪に本社を置かれていますが、ずっと熊本を拠点にものづくりを続けておられます。
中山 かつては製造業の多くが低コストで生産できる海外に拠点を移す流れがありましたが、当社は熊本だけに工場を置き、〝メードインジャパン〟にこだわってきました。あくなき技術の追求による技術の蓄積が〝ものづくり〟の本質であると信じています。今後は高い品質と信頼性が求められる医療分野で、手術などの際に体内に埋め込むチタン合金などを使った製品の製造を目指していきます。
─人材育成に関する方針をお聞かせください。
中山 社員が定年まで働くことで技術を磨き続け、社員の技術力により会社も成長したいとの思いがあり、図面を見て自分でものづくりを考えられる人材の育成を図っています。生産性向上のために最新の設備の導入を進めていますが、金属加工で自動化できるのは数ミクロン(100万分の1㍍)まで。それ以下のナノ(10億分の1㍍)レベルの微細な加工になると技術者の力が試されます。常に新しい技術の構築に挑戦する企業文化を醸成して、当社をものづくりが好きな技術者集団にしたいですね。
─航空輸送事業の状況はいかがですか。
中山 関連会社の西日本航空機サービス(菊陽町)がヘリコプター2機と小型航空機(セスナ)1機を所有し、現在はインバウンド(訪日客)向けに「空のタクシー」事業を展開しています。熊本空港から九州各地への移動手段として、多くの人に認知してもらえるよう事業を展開しているところです。
概要
所在地 |
(本社)〒532-0004 大阪市淀川区西宮原2-1-3 SORA新大阪21 14F 【電話】06(4807)1500 (熊本工場)〒861-2402 阿蘇郡西原村小森3606 【電話】096(279)3737 (テクニカルセンター)〒869-1102 菊池郡菊陽町原水上大谷3802-26 【電話】096(340)5010 (横浜営業所)〒222-0033 横浜市港北区新横浜3-6-5 新横浜第一生命ビル4F 【電話】045(548)6952 (名古屋営業所)〒450-0003 名古屋市中村区名駅南1-3-18 NORE名駅803 【電話】052(414)4000 |
---|---|
営業所 | 本社(大阪)、テクニカルセンター(菊陽)、横浜営業所、名古屋営業所 |
業務内容 | 耐磨耗精密工具類、半導体・自動車・宇宙関連部品、その他精密部品の設計・製造販売 |
設立 | 昭和44年6月25日 |
資本金 | 9,600万円 |
従業員数 | 229人 |
役員 |
代表取締役社長/中山愼一 取締役/前田浩二、中山大智、坂田和文、東 和幸、池松次郎 |
ホームページ | http://www.nakayama-pre.co.jp/ |
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