味岡生コンクリートグループ「生コンを主軸に農業分野にも参入」代表取締役・味岡和國氏

熊日プレジデント倶楽部
熊本日日新聞 2024年1月1日 00:01
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味岡コンクリートグループ代表取締役の味岡和國氏
味岡コンクリートグループ代表取締役 味岡和國氏

─業界全体では集約化などの再編が進んでいます。

味岡 セメントを作る焼成という過程でロシア産の石炭を使っていたこともあり、燃料価格の高騰などの影響で生コンの単価が一昨年から昨年2月にかけて3割ほど値上がりして1リューベ(立方㍍)当たり2万円台に達しました。その結果、以前は100㍍の道路を舗装できたものが、同じ金額では60㍍しかつくれない状況になっています。単価の値上がりだけでなく、国の財源不足などの影響もあって以前より需要が減っています。生コン業界の利益率が低いのが現状です。採算を維持できなくなり、昨年も自主廃業が多く見られました。全国生コンクリート工業組合連合会の副会長の立場としてこれまで集約化を訴えてきましたが、今後は合併を進めることも必要だという話をしています。県内では台湾積体電路製造(TSMC)進出に関連する大規模工事や熊本豪雨の復旧工事が進んでいます。大分と熊本をつなぐ中九州横断道路、九州中央自動車道、有明海沿岸道路などの計画もありますが、追い風は長くは続かないと理解しておかなくてはなりません。

─農業分野への参入にも積極的です。業況はいかがでしょう。

味岡 業績はすべての部門を合わせると170億円程度です。売り上げの0・3%を占めるようになった農業部門では、これまで茶畑を買収し一次加工した茶葉を飲料メーカーに納入してきたほか、米作りや野菜の栽培も手掛けています。中にはコストや手間がかかる作物があるので、やり方を見直さないといけないと思っています。今後はオリーブやワイン用のブドウ、コーヒー豆など、比較的手間がかからない作物の栽培を検討する予定です。一方で山林などの不動産の取得を進めています。多角経営を進める中で資金調達の際に担保にできる可能性を考慮してのことです。生コン事業では多くの工場を運用していますが、昨年までに宮崎県の諸塚やえびの、大分県の朝地と荻の4つの工場を閉じました。どんな業種においても時代の流れを把握し、迅速に判断することが必要だと考えます。

─今後の見通しは。

味岡 厳しい状況は続くと思いますが、事業意欲があり資金調達できる人には、この数年がチャンスだと思います。企業や店舗を手放したいと考える人が多いということは、それだけ買収もしやすくなります。当社としては将来性のある事業を見極めて吸収合併を進め、売り上げ200億円を視野に入れながら、事業拡大につなげたいと考えています。

阿蘇くまもと空港内に昨年末から掲げられている同社の看板(イメージ)
阿蘇くまもと空港内に昨年末から掲げられている同社の看板(イメージ)

概要

所在地 〒868-0415 球磨郡あさぎり町免田西3278
【電話】0966(45)0100
設立 昭和62年11月30日
業務内容 生コンクリート製造販売
資本金 3億740万円(グループ計)
役員 代表取締役/味岡和國
従業員数 374人
関連会社 味岡ホールディングス(株)、滋賀味岡生コンクリート(株)、広島味岡生コンクリート(株)、味岡ヤマト生コンクリート(株)、福岡味岡生コンクリート(株)、長崎味岡生コンクリート(株)、大分味岡生コンクリート(株)、味岡ガイナン生コンクリート(株)、熊本味岡生コンクリート(株)、味岡有明生コンクリート(株)、宮崎味岡生コンクリート(株)、味岡西諸地区建設事業協同組合、鹿児島味岡生コンクリート(株)、味岡(株)、味岡マシナリー(株)、味岡リース(株)、味岡安全機材(株)、九州味岡エナジー(株)、三洋開発商事(株)、味岡アイキ生コンクリート(株)、味岡南ヶ丘農園(株)、味岡三和生コンクリート(株)、味岡三和砕石(株)、味岡葦北中央生コンクリート(株)
ホームページ http://www.ajioka-namakon.co.jp/

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