女性活躍 政治に多様な視点入れて

7月17日 10:17

 今回の参院選は、政党に男女の候補者数を「できる限り均等」にするよう求める、「政治分野の男女共同参画推進法」が昨年5月に施行されて初の大型国政選挙となった。

 選挙区と比例代表合わせて104人の女性が立候補。全候補者に占める割合は過去最高の28・1%に達した。参院の改選前の女性比率は21・1%。これをどこまで伸ばせるかが焦点となる。

 政党別に女性候補の割合を見てみると、立憲民主党45・2%(19人)、国民民主党35・7%(10人)、共産党55・0%(22人)などとなっているのに対し、自民党は14・6%(12人)、公明党は8・3%(2人)と、与野党で歴然と差が生じている。

 自民、公明は、女性擁立の数値目標設定そのものを見送っており、理由として男性の現職議員の多さを挙げる。ただ新人に限っても自民は21人のうち女性は4人、公明は14人全員が男性だ。これで女性の政治参画を本気で進めるつもりなのか、疑問を禁じ得ない。

 2018年の各国議会の女性進出に関する報告書によると、日本の女性議員の割合は193カ国中165位、先進7カ国で最低だ。男女均等は国際的な潮流であり、政府は、20年までに議員や管理職など指導的地位に占める女性の割合を30%にする目標を掲げる。

 安倍晋三首相は、公示直前の党首討論会で「努力不足と言われても仕方がない」と認め、「次の選挙は20%以上にすべく努力したい」と述べた。「女性が輝く社会」の実現は、安倍政権が掲げる成長戦略の一つだったはずだ。看板倒れのそしりも免れまい。首相は有権者に具体策を示して有言実行すべきだろう。

 仕事と子育ての両立や就労支援など女性の社会参画推進を公約にうたう各党だが、夫婦別姓については主張が異なる。公明、立民、国民、共産、社民の各党が選択的夫婦別姓の実現を掲げるのに対し、自民は「旧姓の幅広い使用を認める」、日本維新の会は「旧姓使用にも法的効力を」とする。

 15年の最高裁判決は夫婦同姓規定を合憲としつつも、改姓した女性が不利益を受けることを認め、夫婦別姓は「国会で論じるべきだ」とした。「伝統的家族観を壊す」とする保守派に配慮して議論に応じてこなかった自民もしっかり向き合い、参院選で主張を戦わせるべきだろう。

 政府は、今年10月の消費税増税による財源の一部を使って幼児教育・保育の無償化をスタートさせる。一方で「待機児童ゼロ」の達成は17年度末から20年度末に先送りした。子育て支援のため、保育の受け皿をどう拡充するか議論が必要だ。男性の育休取得推進などの視点も欠かせない。

 家族の在り方が多様化し少子高齢化による人手不足も深刻だ。その中で女性の活躍の場をどう広げていくか。政治に多様な視点を入れ、議論を深める必要がある。