9月16日付

9月16日 08:01

 きょうは、熊本市の藤崎八旛宮例大祭の神幸行列。随兵寒合[ずいびょうがんや]といわれるこの時季、いつもなら秋の気配が感じられるはずだが、強い日差しが連日のように降り注ぐ。威勢のよい掛け声で残暑を吹き飛ばしてもらいたいものだ▼小欄が子どものころは、母親に連れられ神幸行列を見て、祖父母の家へ遊びに行くのが敬老の日の恒例だった。親が老いて後は、時折こちらが声を掛け、朝随兵見物に連れ出す。せめてもの親孝行のつもりで▼敬老の日が制定されたのは1966年。当時6%台だった65歳以上の高齢化率はいまや28%を超える。お年寄りを取り巻く世情も随分、厳しさを増した▼電話に出れば特殊詐欺の標的にされ、車の運転は早めの免許証返納を迫られる。社会保障改革では就労圧力が増し、後期高齢者の医療費の負担引き上げも取り沙汰される。さらには健康寿命を3歳延ばす目標までも▼老人福祉法が定める老人の日・老人週間(15~21日)は、<老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す>と目的にうたう。元気で自立した生活を送るに越したことはないが、あまり縛られては人生の秋を過ごす楽しみもしぼみそうだ▼100歳を超えるお年寄りは全国で7万人余にも上るという。来年2月に100歳になる人吉市の福原タツさんは、日ごろから身体を動かし、地域活動にも参加していると本紙朝刊で語っていた。「いただいた命を大切にしたい」と何とも清々[すがすが]しい。押しつけられない、自分らしい暮らしこそ、健康長寿の秘訣[ひけつ]かも。