「出発オーライ!」。14日、南阿蘇鉄道の臨時便「くまTOMO号」にくまTOMOサポーターが乗り込み、車掌の仕事を体験しました。制服と帽子を着用し、高森駅-立野駅間(17.7キロ)の各駅から発車する際の安全確認や、切符の車内改札に挑戦しました。(藤山裕作、吉田紳一)
子どもたちは普段は社員しか入ることができないエリアに待機中のくまTOMO号に向かいます。「右よし、左よし、足元よし」。講師を務めるベテラン車掌の田中亮介さん(51)が、早速指差ししながら安全確認の大切さを教えると、引き締まった雰囲気になりました。田中さんは、ドアの開閉、切符の確認、車内放送など車掌の仕事内容を説明し、「列車のことを掌握するのが車掌。とにかく列車を安全に動かすことが大切」と極意を明かします。
くまTOMO号は午前11時13分高森駅発。車掌体験のトップは熊本市立二岡中1年の野田渚紗さん。発車が迫っていることを伝えるアナウンスをした後、指差ししながら、発車30秒前には時刻を確かめ「時刻オーライ」、信号機が青になったのを確認し「出発オーライ」と元気よく声を出します。ホームに笛の音を響かせ、乗客が無事に乗ったのを確認して「乗降オーライ」。車両に乗り込んでドアを閉め、出発合図のブザーを押しました。
駅に停車するごとに車掌は交代。子どもたちは少し緊張しながらも確実に業務を遂行しました。観光案内にも挑戦し、南阿蘇の水源などを紹介しました。くまTOMO号は立野駅で折り返し。熊本地震からの復旧や阿蘇立野ダムの説明をした熊本市立画図小6年の和田直樹さんは「初めての経験だったけど楽しかった。とにかく確認が大事だと学んだ」と満足そうな表情を浮かべました。
車内では、特別切符の改札も。「切符を拝見させていただきます」。子どもたちは昔ながらの切符切りを使って穴を開けて改札しました。熊本市立西里小2年の鶴田穂香さんは「切符切りでカチッと音がするのが気持ち良かった。車掌の仕事は難しいこともあったけど、できたら楽しい。将来は車掌になってみたい」と目を輝かせました。
くまTOMOサポーター家族は、南阿蘇鉄道がクリスマスに合わせて運行する車両の飾り付けも体験しました。
クリスマス気分を乗客に楽しんでもらおうと南阿蘇鉄道が企画。ツリーや動物のキャラクターなどの型枠を窓に押し当てて、スプレーを使って描きました。車内は電飾で飾り付け。暗い車庫で点灯させると、子どもたちは歓声を上げました。中川竜一鉄道部長は「みなさんのデザインセンスが盛り上げを左右します」と注文していました。
駅の車掌さんはたくさんの役割があって大変なんだなと知りました。電車の中でシールでデコったりスプレー缶で色を付けるのが楽しかったです。車掌体験など貴重な体験ができたので将来に良い方向になると良いです。(玉名市立睦合小4年、平田海遥さん)
僕は、高森駅に来た事は今回で2回目です。初めて高森駅に来た時は夏でトロッコ列車に乗りました。その時は、窓がなくガタガタと揺れる音が印象に残っています。今回は、窓がある電車で暖房があり暖かかったです。車掌さんになり、みんなの前でアナウンスをしたり、ドアを開けたり閉めたり笛を吹いたりした事が楽しかったです。最後に、車内にクリスマスの飾り付けをしました。また、家族で来たいです。(益城町立広安小4年、池田陸翔さん)
参加してみて、車掌さんの仕事は大変だなと実感しました。まず、しっかりお客さんが乗っているのか確認したり、しっかりドアが閉まっているのかを確認しないといけなくて、忘れたら大変なことになるなと思いました。とてもいい経験になりました。ありがとうございました。(熊本市立画図小6年、和田直樹さん)
14日、風は冷たい日でしたが青空の下、南阿蘇鉄道の乗車体験を兄弟3人でやりました。電車を貸し切り、安全確認、アナウンス、乗車券の確認まで、完全に近い車掌体験をさせていただきました。くまTOMO列車往復乗車証に昔懐かしいパンチ穴あけ体験、一般の人は入れない車庫でクリスマスイルミネーションを見る事が出来たり貴重な経験をたくさんさせてもらえました。南阿蘇に新しくかかった橋を下から見たり全てが貴重でした。(合志市立南ケ丘小2年、木下陽翔さん)