「臓器移植」を考える日 10/16は グリーンリボンデー 熊本城もグリーンに<PR>
毎年10月16日は、臓器移植医療への理解を呼び掛ける「グリーンリボンデー」です。臓器移植が多くの患者の命を救っている現状や提供の意思表示方法について専門家に聞きました。
—グリーンリボンは世界的な移植医療のシンボルだそうですね。
グリーンは「成長」や「新しい命」を象徴し、リボンは臓器を提供する人と移植を受ける人の命のつながりを表しています。臓器移植には、主に親族間で行う「生体臓器移植」と、亡くなった方から(脳死下または心停止後に)臓器提供を受ける「死体臓器移植」があります。移植医療はさまざまな病気による末期の臓器不全で、臓器移植でしか回復の見込みがないと判断された人にとって「最後の光」となるものです。移植には善意による健康な臓器の提供者が不可欠です。日本では社会的な理解不足などもあり、心臓や肺、肝臓、腎臓などの移植を待つ間に、提供者が現れずに亡くなる患者さんが多くいらっしゃいます。全国の移植希望登録者数は1万6千人を超えますが、たった2%ほどしか実際には移植に至っていません。1997年に臓器移植法が施行された日であるグリーンリボンデーが、家族と共に移植医療を考えるきっかけになることを願っています。
—県内の臓器移植の現状は。
2023年度、熊本県は人口100万人当たりの脳死下臓器提供者数が約3人で、全国6位です。しかし、日本全体の人口100万人当たりの脳死下・心停止後臓器提供者数は22年で0・9人と世界で62番目の低い水準にとどまります。
—臓器提供の意思表示の方法について教えてください。
移植を待つ多くの患者を救うためには、「臓器提供の意思表示」に協力いただくことがカギとなります。熊本県の臓器提供の意思表示率は22年時点で11%となっており、さらなる啓発が求められます。意思表示は、「健康保険証」「運転免許証」「マイナンバーカード」「インターネットでの意思表示」「臓器提供意思表示カード」の五つで行えます。臓器を「提供する」「提供しない」は個人の自由で等しく尊重されます。重要なのはそれを明確に示し、家族と意思を共有することです。意思表示をしておくことで、もしものときに自分の体をどうしてほしいかを家族に理解してもらう手助けにもなります。「意思」はいつでも変更できるので、一度決めたことをプレッシャーに感じる必要はありません。家族や友人と普段からこうした話題を取り上げ、話し合ってほしいと思います。
熊本で広がるグリーンライトアップ
「グリーンライトアップ」は、臓器移植医療への理解を深めるため、全国で行われている啓発活動です。10月16日の「グリーンリボンデー」に合わせて、熊本でも熊本城などさまざまな施設や企業が緑色にライトアップされます。命をつなぐ移植医療の重要性や、臓器提供に対する意思表示の大切さを広く伝える機会となっています。 熊本県のグリーンライトアップ一覧 |
移植医療に関するお問い合わせは、熊本県移植医療推進財団 事務局 096-234-8670 へ
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