熊本県内企業、25年春の新卒採用「増やす」41% 人手不足で積極採用継続
熊本日日新聞社と地方経済総合研究所(熊本市)が県内主要企業に実施した採用アンケートによると、2025年春入社の新卒採用者を24年実績より「増やす」と答えたのは、前年調査に比べて0・7ポイント上昇し、41・8%だった。「今春実績並み」を合わせると88・4%で、12・4ポイント上昇。人手不足に加えて、新型コロナウイルス感染症の「5類」移行に伴う業績の回復もあり、企業の積極姿勢が続いている。
業種別で「増やす」の割合が最も高かったのは、サービス・その他が56・5%。金融・保険が50・0%、製造が44・7%と続いた。増やす理由については、「今春が思うように採用できなかった」という声が相次いだ。事業拡大を挙げる企業も目立った。
採用計画がある企業の割合は、3・6ポイント上昇の90・5%。金融・保険、サービス・その他、運輸・情報通信、建設で90%以上だった。特にサービス・その他は16・5ポイント上回り、コロナ後の社会活動の回復を裏付ける形となった。
学生優位の「売り手市場」が続く中、既卒者や留学経験者が試験を受けやすい通年採用を取り入れている企業は41・1%。検討中の企業は29・5%で、いずれも前年と同様だった。
アンケートは2月中旬~3月中旬に実施。146社が回答した。(経済取材班)
県内企業、従業員「不足」が62%
熊日と地方経済総合研究所(熊本市)がまとめた熊本県内主要企業のアンケートによると、2024年春の新卒者採用後の従業員の充足状況が「不足」「どちらかといえば不足」との回答は計62・3%だった。前年比0・2ポイント増で横ばい。人手不足感が引き続き高い状況がうかがえる。
業種別に見ると、サービス・その他が78・3%で最も高い。金融・保険の70・0%、運輸・情報通信の64・7%が続いた。
学生の応募は、「前年より低調」が49・3%で、13・1ポイント増加。一方、「前年より好調」は15・4%で5・3ポイント増えており、人材獲得で2極化する様相もうかがえる。
採用環境の変化については、回答企業の4割弱が採用活動の早期化を挙げた。「インターンシップ(就業体験)からの採用例が増えた」(製造)など、企業説明会や採用試験以外で学生との接点を持つ動きが強まっている。
人手不足で学生が企業を選ぶ「売り手市場」の傾向が強まる中、「学生の決定に関して、学校と保護者の意見が大きくなっている」「内定後のフォローがますます重要だと感じる」(いずれも製造)との声もあった。(経済取材班)
※県内主要企業の初任給に関する調査結果を29日付本紙「くまにちプラス けいざい」面で詳報します。
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