〝山鹿の旅〟カフェでガイド 元熊本県文化課の学芸員・木村さん 歴史解説も
山鹿市の豊前街道沿いに山鹿茶カフェ「湯のまち茶屋」を構える木村元浩さん(59)は、元熊本県文化課の学芸員。同市出身でもあり、山鹿の魅力を知ってもらうため、得意の歴史的知識を織り込みながら〝山鹿の旅〟を店内で案内している。
木村さんは県職員時代、遺跡の発掘や「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産の登録にかかわった。2019年に県庁を早期退職。翌20年に築130年の商家を借りて、妻智加さん(58)と現在の店をオープンした。
これまでも客との会話の中で山鹿の街に触れることはあったが、本格的に案内を始めたのは今年に入ってから。温泉や物資の集散地として発展した街の成り立ちなどを紹介している。
江戸時代、山鹿など菊池川流域で収穫された米がどの経路で大阪まで運ばれたのか。そこにはどんな苦労があったのか。より踏み込んだ歴史の解説もお手のもの。「県職員時代に各地を見てきた経験から、熊本の中の山鹿という視点でも話ができたら」と木村さん。
店内ガイドにこだわるのは、山鹿のお茶を楽しみながら聞いてほしいから。現地案内がなく物足りないのでは、との心配もあったが、足が不自由な家族がいる人から「座って聞けるのはありがたい」と言われ、今のやり方に自信を深めたという。時間は40分。山鹿茶と和菓子、オリジナルガイドブックが付いて1800円。火、水、木曜定休。同店☎0968(41)8430。(本田清悟)
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