熊本市民病院跡に大きな水たまり 害虫を心配する住民も 市は売却への影響否定
熊本市東区湖東の旧熊本市民病院跡地に、大きな水たまりが現れている。2023年7月の解体工事後からで、ボウフラといった害虫の発生を心配する住民もいる。市は「水は湧き出ておらず、跡地売却にも影響はない」とする。
旧市民病院は19年11月、熊本地震で被災した北館と南館の解体に着手。粉じんや騒音、振動などへの苦情が相次ぎ、工事を中断。対策を講じた経緯がある。
市病院局によると、跡地は約1万3655平方メートル。昨年8月ごろには水たまりを確認したが、詳しい発生時期は分からない。大きさは縦80~100メートル、横30~40メートルほど。天気次第で日々変わる。
解体では、地下構造物付近から湧き水があり、排水しながら工事を進めた。地下水への影響を防ぐため、地下構造物の一部を解体しないまま埋め戻した。雨が降った後の泥水が敷地外に流れ出ないよう、くぼ地も作った。「水たまりは想定内だが、ここまで大きくなるとは」と同局。住民から「水が湧き出ているのではないか」との問い合わせもあるという。
近くに住む男性(75)は「一度も干上がったことはないし、あれだけ大きいから、蚊がたくさん発生したら嫌だね」と話す。跡地活用は地域で大きな関心事で「売却に影響がないだろうか」と心配する。
市は3月下旬から4月上旬までの5日間、ポンプでの排水を試みたが、やや水が減った程度だった。現在、ポンプ3台を使って定期的に排水する準備を進めており、5月中旬にも始めるという。
水たまりについて、東海大の天野弘基特任助教(地下水学)は、現場が江津湖近くであり「周辺は地下水が豊富。地下の水面が地表に近ければ、雨水は浸透しにくい」と指摘する。
跡地は今後、民間への売却を予定。市病院局は「病院があった時は排水に問題はなかった」と売却への影響を否定している。(九重陽平)
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