肥薩線復旧、駅数や位置「被災前と変更も」 八代-人吉間 JR九州社長、年度内の最終合意に盛り込む考え

熊本日日新聞 2025年1月23日 19:59
肥薩線復旧に関し、駅数や位置の見直しに言及するJR九州の古宮洋二社長=23日、福岡市
肥薩線復旧に関し、駅数や位置の見直しに言及するJR九州の古宮洋二社長=23日、福岡市

 JR九州の古宮洋二社長は23日、2020年7月豪雨で被災して運休している肥薩線の八代-人吉間(51・8キロ)が復旧した場合、「駅の位置や数が変わる可能性はある」との見方を示した。駅の減少や集約を示唆する内容で、3月末までに熊本県と交わす最終合意に盛り込む考えだ。

 肥薩線は八代─隼人(鹿児島県霧島市)の全線124・2キロのうち、八代─吉松(鹿児島県湧水町)間の86・8キロが不通となっている。このうち八代-人吉間は球磨川沿いを走る「川線」と呼ばれ、24年4月に国を含めた3者が鉄道での復旧で基本合意した。

 福岡市の本社で開いた定例会見で古宮社長は「1日の乗車人員が、ほぼいない駅がいくつかある。街並みが変わったエリアもある」と指摘。線路の位置は被災前と原則変わらないとの見通しを示しつつ、「駅の位置や数が変わる可能性はあると思う。住宅を建てる場所など、今後のまちづくりの計画とセットで、駅の在り方も考えていく必要がある」と説明した。

 最終合意には、鉄道の運行と所有・管理の主体を分ける「上下分離方式」や、利用促進策に関する費用分担を盛り込む方針。古宮社長は「駅については(最終合意で)ある程度、大きな方針を決めておきたい」と述べた。

 県交通政策課の担当者は「災害復旧事業なので、駅も被災前の姿に戻すのが基本だ。被災前、利用者が少なかった駅があるのは確かで、復旧駅の活用に関する地元の意向を丁寧に、くみ取る必要がある」と話した。(立石真一、小山智史)

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