21年度の水俣病犠牲者慰霊式 規模縮小して開催

熊本日日新聞 | 2021年2月20日 10:37

水俣病犠牲者慰霊式実行委員会で、2021年度の開催方針に対して意見を求める緒方正実実行委員長(右)。中央は高岡利治水俣市長=19日、水俣市
水俣病犠牲者慰霊式実行委員会で、2021年度の開催方針に対して意見を求める緒方正実実行委員長(右)。中央は高岡利治水俣市長=19日、水俣市

 水俣病犠牲者慰霊式実行委員会は19日、2021年度の式典を5月1日に実施することを決めた。新型コロナウイルス感染防止のため、規模は縮小。感染症の専門家の意見などを踏まえて参列者の人数を決める。

 市役所であった会合では、事務局が事前に示した「開催見送り」「5月1日に実行委員のみ(20人程度)で開催」の2案を協議。挙手の結果、見送り案支持は出席委員12人中4人にとどまった。

 規模については「委員だけでなく、希望する遺族の参列を認めるべきだ」との声が上がり、専門家に意見を求めることにした。

 所要時間については事務局が30分を提案した。しかし、委員が、環境相らの「祈りの言葉」を動画で流すことを要望。事務局がオンラインでの参列や事前収録の可否を検討することになり、30分以上になる見通し。

 4月中旬に、県のリスクレベルが5(厳戒警報)の場合と、市や周辺自治体でクラスター感染が発生している場合は、式典を中止することも確認した。

 慰霊式は昨年、新型コロナの影響で初めて中止となった。緒方正実実行委員長は「新型コロナと向き合いながら開催を決めたことは一歩前進だと思う」と話した。(石本智)