ダム広告「一方的」 反対グループ、熊本県に抗議 球磨川治水

熊本日日新聞 | 2021年3月9日 10:23

 昨年7月の豪雨で氾濫した球磨川の支流・川辺川でのダム建設に反対する「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」など3団体は8日、治水策への理解を促すため熊本県が出した新聞広告が「情報操作ともいえる一方的な内容」として県に抗議した。

 広告は2月27日付の熊本日日新聞に掲載。3月6日には同じ内容のチラシを人吉新聞に折り込んだ。

 抗議文は、蒲島郁夫知事が国に建設を求めた流水型(穴あき)ダムに関する広告内容について「建設予定地や大きさも未定のままで誇大広告だ」と指摘。魚が穴を行き来するイラストに関しても「穴は長さ100メートル以上に及ぶとみられ、ありえない」と訴えた。

 県球磨川流域復興局によると、予算は熊日で352万円、人吉新聞で15万円。昨年8月に専決処分した。同会の中島康代表(80)は「一方的な広告でなく説明会を開くべきだ」と求めた。(堀江利雅)