ハンセン病考えるDVD制作 中山節夫監督、竹下景子さん対談収録 熊本県合志市

熊本日日新聞 | 2021年2月10日 09:58

合志市が制作したハンセン病問題の啓発DVD「あつい壁に虹のかけ橋を」
合志市が制作したハンセン病問題の啓発DVD「あつい壁に虹のかけ橋を」

 熊本県合志市は1月末、市制15周年を記念して、ハンセン病問題をテーマに、映画監督の中山節夫さん(同市出身)と俳優の竹下景子さんが対談する啓発DVD「あつい壁に虹のかけ橋を」を制作した。

 中山さんは、ハンセン病患者とされた男性が無実を訴えながら死刑となった「菊池事件」を題材にした映画「新・あつい壁」(2007年)などを手掛けた。竹下さんは、全国の療養所の入所者と交流を続けている。

 2人は同市の国立療養所菊池恵楓園で対談。竹下さんは恵楓園の絵画クラブ「金陽会」の活動に触れ、「作品はハンセン病問題を考えるきっかけになる」と述べた。中山さんは自身の映画を通して「登場人物を自分に置き換え、疑似体験してほしい」と訴えている。

 DVDは53分。厚生労働省の委託を受けるふれあい福祉協会(東京)の「ハンセン病対策促進事業」の助成など約274万円で、370枚制作した。県立図書館や県内の市立図書館、菊池地域2市2町の小中学校などに配布する。(木村恭士)