「公開セミナー」紙面から社会に関心 飽田東、小記事参考に意見出し合う

12月25日 09:47

8月中旬に連載された熊日記事をもとに、「若い世代は戦争の恐ろしさを忘れつつあるのか」という問いに意見を出し合う6年1組の児童=熊本市の飽田東小
地元の熊日飽田東販売センターの仕事について写真や動画で学ぶ3年2組の児童=熊本市の飽田東小

 教材として新聞を活用するNIE(教育に新聞を)の2018年度公開セミナーが10~12月、実践指定校の飽田東小(熊本市)、日吉中(同市)、慶誠高(同市)で開かれた。県内の教育と新聞界でつくる県NIE推進協議会が毎年開催し14回目。児童生徒が社会に関心を向けるため、新聞はどう活用できるのか。3校の公開授業から探った。(藤山裕作、魚住有佳)

 飽田東小では6年と3年の社会科で、地元紙の記事から戦争と生活を結びつけて考える取り組みや、新聞販売店と地域との関わりを知る授業が展開された。

 6年1組では終戦の日を前に連載された熊日記事を使用。サバイバルゲームを楽しむ高校生とは対比的に、南太平洋での戦闘を生き抜いた男性(96)=熊本市=が戦争の記憶の風化を不安に思う様子が描かれていた。

 児童らは事前に、太平洋戦争の経過や当時の生活などを写真資料や記事で学習。この日は松川裕一教諭(42)が「若い世代の間で戦争の恐ろしさは忘れられつつあるのか」と問題提起し、互いに考えや思いを出し合った。

 発表では児童の大半が認知するオンライン戦闘ゲーム「荒野行動」が話題に。「簡単に人を殺せるゲームで遊んでいると戦争の怖さが分からなくなる」と心配する声が上がる一方、「ゲームで戦争を身近に感じるから忘れることはない」「戦争を教える資料や先生がいる限り大丈夫」という主張もあった。

 最後に「考えたことを男性にメッセージとして伝えよう」と呼び掛けた松川教諭。「教科書と違い、地元紙の記事は今、身近にいる人の声が分かる。自分の生活と結びつけ具体的に考える上で有効」と振り返った。

 3年2組では、暮らしと商店について学ぶ単元で新聞を活用。全員に配布された当日の熊日でクイズを楽しんだ後、嶋田誠彦教諭(49)が、地元にある熊日飽田東販売センターの業務や地域との関わりを紹介した。

 児童は新聞を袋詰めする機械の写真や折り込みチラシを入れる場面の動画を視聴。高齢者が集金時に販売センター員との会話を楽しみにしているエピソードなども聞き、「新聞配達には読む人を考えた工夫があるんだ」と感想を述べていた。

 嶋田教諭は販売センターを取り上げた狙いを「地元で新聞に携わる人の仕事を知ることは、子どもたちの新聞への興味関心を高めることにつながる」と説明していた。(開催日は11月26日)