「公開セミナー」紙面から社会に関心 慶誠高、「ネット」と「リアル」で投票

12月25日 09:42

「高校生活を有意義に過ごすためには」というテーマの授業で、「ネット」と「リアル」のどちらを支持するかなど投票する生徒たち=熊本市の慶誠高

 教材として新聞を活用するNIE(教育に新聞を)の2018年度公開セミナーが10~12月、実践指定校の飽田東小(熊本市)、日吉中(同市)、慶誠高(同市)で開かれた。県内の教育と新聞界でつくる県NIE推進協議会が毎年開催し14回目。児童生徒が社会に関心を向けるため、新聞はどう活用できるのか。3校の公開授業から探った。(藤山裕作、魚住有佳)

 慶誠高1年8組の公開セミナーは、公民の単元「世論と政治参加」。「高校生活を有意義に過ごすためには」をテーマに掲げて、「ネット」と「リアル」を対立軸にしたプレゼンテーションに対して議論を深め、どちらを選ぶか投票に臨んだ。

 ほかの同学年のクラスからネット派、リアル派それぞれ3組が、新聞記事を裏付けに使って、利点などを訴えた。リアル派は、地元の行事やボランティア参加などで交流を深める地域貢献に着目した。

 1年4組は「熊本地震から2年が経過し、盛り上げるイベントが増えている。地域貢献が高校生活を有意義にする」と主張。伝統の神楽を継承する合志市の小学生と住民の喜びの声を伝える熊日の記事を紹介し「交流することで人の温かさを感じることができる」と、ネットより優れている点に挙げた。さらに、近くの高校との合同で清掃ボランティアの実施を提案した。

 一方、ネット派は、「SNSなど身近な存在になっており、幅広く世界と交流できる手段」と強調。1年7組は、北海道胆振[いぶり]東部地震が発生した際、県内から熊本地震の経験をもとにしたアドバイスがツイッターで相次いだ様子を伝える記事を提示。「知恵を広めて役に立つことができる。逆に自分たちが取り入れて参考にもなる」と語り掛けた。このほか、学力向上のためにタブレット端末を活用する提案もあった。

 8組の生徒たちはグループごとに議論した上でどちらかを選び、無記名で投票した。甲斐浩志郎教諭(28)は「これからさまざまな物事に対し自分の考えを持つことが大切。そのためのツールの一つとして新聞がある」とまとめた。

 授業後の意見交換会で生徒たちが「発表を聞いているうちに意見が変わった」「新聞は知らないことに興味を持つきっかけになった」などと感想を述べた。(開催日は12月11日)