



「うんていは、どうやったらできるようになりますか?」。熊本市中央区の小学2年生、佐藤琥太郎君(8)から、熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に、こんな声が寄せられました。よし、それなら一緒にがんばってみよう。「トヨダ体育教室」(熊本市東区)で子どもたちに運動を教えている豐田隆志さん(36)に指導をお願いし、ポイントを聞きました。(西山美香)
佐藤君はうんていが苦手で、「いつも一つ進んだところで手が痛くなって落ちてしまう」と打ち明けます。
豐田さんによると、高さへの恐怖や片手になった時に落ちそうだと感じる怖さ、握力不足などが原因。「まずは小さな目標を設定して、一つずつクリアしていく積み重ねが大事」とアドバイスします。
早速、練習です。ポイントは、大人が子どもの腰を支えてあげること。「手にかかる負担と恐怖心を軽くしてあげましょう。大人がちょっと手を貸すことで、子どもは一歩踏み出すことができます」。最初はぶら下がり。両手でバーをつかんで10秒。次に右手だけで5秒、左手だけで5秒を2回。「うんていは体重を支えられるだけの握力が必要です」
次のステップは「前進」。進む時、最初に次のバーをつかむ手を右か左か決めて、その手で進んでいきます。できたら、今度はその逆の手を交互に出して進みます。「腰を支えてもらい、体の動きや移動する感覚を覚えるだけでもOK」と豐田さん。支えがいらなくなったら、自分の力でやってみましょう。
佐藤君も1人で挑戦してみました。すると、周りの心配をよそに一つ一つ前進。何度かチャレンジするうち、苦しみながらも渡りきることができました。佐藤君は「初めてできて、めっちゃうれしい」と大喜び。豐田さんも「すごい、やるじゃん!」とハイタッチでたたえました。
母親の奈々さん(43)は「息子は運動が苦手だと思い込んでいた。ちょっとしたきっかけで、できるようになって感動しました」とびっくり。豐田さんは「子どもは経験や体験の数だけ成長する。できたことをしっかり褒めて、自信につなげてほしい」と話しました。
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