通常国会 責任自覚し論議を尽くせ

01月16日 09:16

 通常国会は18日、召集される。新型コロナウイルスの感染が急拡大し、国民の多くが苦難を強いられている中、国会は「民主主義の最後のとりで」としての存在意義が問われることになる。衆参両院の議員は与野党を問わず、その責任を自覚し日本が抱える諸課題について論議を徹底的に尽くしてほしい。

 政府、与党は安倍前政権時と変わらぬ強権的な手法と、国会を軽んじる姿勢を改め、山積する問題について説明責任を果たさなくてはならない。その上で、菅義偉首相と政府による見通しの甘さや説明不足がもたらした政策の迷走から脱却を図ってもらいたい。

 政府は一般会計総額が過去最大の106兆6097億円となる2021年度予算案と、20年度の第3次補正予算案を国会に提出する。菅首相の施政方針演説など政府4演説が行われ、6月16日まで150日間の論戦が始まる。

 今年は東京五輪・パラリンピックや、10月に任期満了を迎える衆院議員選挙が予定されるが、喫緊の課題は、コロナ感染拡大への対策だ。政府は東京や大阪などの計11都府県に対し、緊急事態宣言を再発令した。首相は記者会見で「1カ月後には必ず事態を改善させるため全力を尽くす」と述べたが、宣言の対象や期間、効果に対し、疑問や不安の声は根強い。

 共同通信社の世論調査では、菅内閣の支持率は41・3%と続落。政府のコロナ対応を「評価しない」が70%近くに上る。各国のリーダーは率先して国民に寄り添うメッセージを発信しており、「自助」を強調する菅首相にはリーダーの自覚がないと批判されても仕方あるまい。

 休業や営業時間短縮要請に強制力を持たせるコロナ特別措置法改正案と、感染者が入院勧告を拒否した場合に刑事罰を科す感染症法改正案が提出される。ともに罰則規定を入れるのであれば、適用条件などについて詳細な説明が必要だ。補正予算案には「Go To トラベル」の費用1兆円超も盛り込まれている。停止された事業として妥当な予算額なのか、慎重に吟味してもらいたい。

 21年度予算案では防衛費として過去最高の5兆3422億円が計上された。イージス艦2隻の導入調査費や、敵基地攻撃への転用懸念がある「スタンド・オフ・ミサイル」の開発経費が含まれ、安全保障政策の大きな転換になりかねない。コロナ禍で苦しむ国民への支援拡充が求められる中、防衛費の在り方も議論を尽くすべきだ。

 対外政策でも菅政権の真価が問われる。米国のバイデン新政権と外交関係をどう構築するのか。22日に発効する核兵器禁止条約に日本が参加しないままでは、「唯一の戦争被爆国」としての在り方が問われよう。

 安倍前首相の「桜を見る会」夕食会での費用補塡[ほてん]問題や、15日に在宅起訴された吉川貴盛元農相の収賄事件など、「政治とカネ」を巡る問題についても政権の姿勢を改めてただす必要がある。

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